研究課題/領域番号 |
11170223
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
臼井 支朗 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (40023337)
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研究分担者 |
竹部 啓輔 長岡工業高等専門学校, 機械工学科, 助手 (10303710)
神山 斉己 愛知県立大学, 情報科学部, 助教授 (70233963)
中内 茂樹 豊橋技術科学大学, 工学部, 講師 (00252320)
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キーワード | 網膜神経回路 / 網膜神経節細胞 / 色覚モデル |
研究概要 |
網膜から視覚中枢に至る視覚情報処理過程の数理モデルを構築することを最終目標として、これまで手掛けてきた網膜の数理モデルと色覚の計算論モデルの発展、統合を進めている。網膜モデルの役割は、視細胞における光受容から、網膜内神経回路での情報処理、網膜神経節細胞での神経インパルス列への変換課程を色覚モデルにより記述する。 これまでの研究により、網膜を構成する5種類の細胞のうち、視細胞、水平細胞、双極細胞の数理モデルが完成している。本年度は、網膜の出力を担う神経節細胞に関して、パッチクランプ法によって得られている特性を基に、イオン電流機構と細胞内情報伝達機構に基づいた数理モデルを構築した。また、色覚モデルに関しては、計算論的な観点から、特に視知覚現象と直接対応の付くレベルにおいてモデル化を行った。なお、現時点の色覚モデルでは、網膜視細胞のアナログ出力を入力として計算理論を構築している。 来年度は、まず、モデル化が残されているアマクリン細胞の数理モデルを構築し、これまで構築した全ての網膜細胞モデルを統合することで、光入力から神経インパルス列への変換課程をモデル上で再現する。さらに、現在構築している色覚の計算論モデルを、実際の神経系における情報表現である分散的な神経情報表現、あるいは神経インパルス列による情報表現を扱える形式に拡張する。さらに、これらのモデルを接続することにより、視覚野における情報表現を反映する種々の視知覚現象について、神経情報表現に基づく解析を進める。
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