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2000 年度 実績報告書

線条体神経細胞でのドーパミン情報伝達系、特にD1/D2レセプター相互作用の解析

研究課題

研究課題/領域番号 11170250
研究機関久留米大学

研究代表者

西 昭徳  久留米大学, 医学部, 講師 (50228144)

研究分担者 田中 永一郎  久留米大学, 医学部, 講師 (80188284)
東 英穂  久留米大学, 医学部, 教授 (10098907)
キーワード線条体 / ドーパミン / 細胞内情報伝達系 / リン酸化 / DARPP-32 / ギャップ結合
研究概要

線条体に選択的に発現するDARPP-32(dopamine-and cAMP-regulated phosphoprotein,Mr 32kDa)は、ドーパミン作用が効率的に発現するために必須のリン酸化蛋白である。DARPP-32はThr34残基がプロテインキナーゼA(PKA)によりリン酸化されるとプロテインホスファターゼ1抑制蛋白として作用する。ドーパミンD1レセプター刺激ではPKAによるThr34残基リン酸化が促進されるが、D2レセプター刺激ではカルシニューリンによるThr34残基脱リン酸化が促進され、D1/D2レセプターはDARPP-32/Thr34残基リン酸化を拮抗的に調節する。しかし、D1/D2レセプターはそれぞれ線条体-黒質神経路神経細胞と線条体-淡蒼球神経路神経細胞に発現しているとされており、D1/D2レセプター相互作用のメカニズムは明らかではない。
DARPP-32リン酸化を指標とした検討で、ギャップ結合抑制物質がDARPP-32/Thr34残基リン酸化調節におけるD1/D2レセプター相互作用を抑制するという結果を得た。線条体-淡蒼球神経路神経細胞に発現するD2レセプターは、ギャップ結合様構造を介して線条体-黒質神経路神経細胞のDARPP-32リン酸化を調節していると考えられる。また、DARPP-32抗体にて線条体神経細胞を免疫染色し共焦点レーザー顕微鏡にて解析した結果、神経細胞体間で細胞膜が接触する所見を数多く認めた。接触部位を電顕にて解析したところ、細胞膜は直接接触しており接触部位に一致して細胞内Ca^<2+>プールとして機能する表面下槽の構造を認めた。これらの結果は、ギャップ結合様構造や表面下槽を伴う細胞体接触が線条体神経細胞間コミュニケーションに関与することを示唆しており、引き続き機能的・形態学的解析をすすめている。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Bibb JA et al.: "Cdk5 regulates action of chronic cocaine."Nature. (in press). (2001)

  • [文献書誌] Bibb JA et al.: "Phosphorylation of Protein Phosphatase Inhibitor-1 by Cdk5."J.Biol.Chem.. (in press). (2001)

  • [文献書誌] Nishi A et al.: "Amplification of dopaminergic signaling by a positive feedback loop."Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 97. 12840-12845 (2000)

  • [文献書誌] Higuchi E et al.: "Phosphorylation of protein phosphatase inhibitors, inhibitor-1 and DARPP-32, in renal medulla."Eur.J.Pharmacol.. 408. 107-116 (2000)

  • [文献書誌] Bibb JA et al.: "Phosphorylation of DARPP-32 by cdk5 modulates dopamine signalling in neurons."Nature. 402. 669-671 (1999)

  • [文献書誌] Nishi A et al.: "Role of calcineurin and protein phosphatase-2A in the regulation of DARPP-32 dephosphorylation in neostriatal neurons."J.Neurochem.. 72. 2015-2021 (1999)

  • [文献書誌] Nishi A et al.: "Requirement for DARPP-32 in mediating effect of dopamine D2 receptor activation."Eur.J.Neurosci.. 11. 2589-2592 (1999)

  • [文献書誌] Nishi A et al.: "Regulation of Na^+, K^+-ATPase isoforms in rat neostriatum by dopamine and protein kinase C."J.Neurochem.. 73. 1492-1501 (1999)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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