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1999 年度 実績報告書

C.elegansを用いた高次神経機能に関わる新規分子の同定のその機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 11170252
研究機関国立遺伝学研究所

研究代表者

石原 健  国立遺伝学研究所, 構造遺伝学研究センター, 助手 (10249948)

研究分担者 桂 勲  国立遺伝研学究所, 構造遺伝学研究センター, 教授 (00107690)
キーワード行動 / 分子生物学 / 線虫C.elegans / 走化性 / 順応 / 連合学習 / 変異体 / 情報処理
研究概要

線虫C.elegansは、神経回路の全構造が明らかにされているほか、行動測定が比較的容易で、遺伝学的な解析が適用でき、全塩基配列が決定されるなど、神経回路における情報処理機構を分子レベルと回路レベルとを結びつけて解析するのに適したモデル生物である。我々は、C.elegansの感覚情報処理の分子機構を明らかにすることを目的として、高次行動に関する遺伝学的解析を行っている。線虫C.elegansを用いた感覚情報処理機構の解析を行った。ut236変異体は、銅イオンから忌避応答と匂い物質への走化性のそれぞれには異常がないが、組み合わせて刺激した場合に銅イオンからの忌避応答を優先する変異体として同定された。本年度は、飯野ら(東大)との共同研究により、NaClと飢餓の対刺激による連合学習にも異常があることが示唆された。この原因遺伝子をクローニングしたところ、LDL受容体のリガンド結合ドメインを持つ新規の分泌タンパク質をコードしていた。機能的なGFP融合遺伝子の発現や、組換えタンパク質を抗原として作成した抗体による免疫染色により、AIY介在神経を含むごく少数の神経で発現が認められた。以上の結果と神経経路図から、AIYが感覚情報の統合・修飾に関与している可能性が示唆された。
飢餓により、銅イオンからの忌避反応が弱くなる変異体ut235に関し、SNPを用いた変異体のマッピングを行い、一番染色体の右にあることを明らかにした。現在、ポジショナルクローニングに向け、詳細な遺伝子地図を作製している。
合成耐性幼虫構成性変異体として同定されたsdf-13変異体は、匂い物質に対する順応にも異常がある。この遺伝子はT-boxを持つ転写因子をコードする。機能的なGFP融合遺伝子や発現解析の結果、咽頭及び頭部の神経での発現が観察された。現在、どの神経での発現が行動に影響を与えているかを解析している。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] M.Fujiwara et al.: "A novel WD40 protein, CHE-2, acts cell-autonomously in the formation of C. elegans sensory cilia."Development. 126. 4839-4848 (1999)

  • [文献書誌] A.R.Winnier et al.: "UNC-4/UNC-37-dependent repression of moter neuron-specific genes controls synaptic choice in Caenorhabditis elegans."Genes & Development. 13. 2774-2786 (1999)

  • [文献書誌] T.Okuda et al.: "Identification andcharacterization of the high-affinity choline transporter."Nature Neuroscience. 3. 120-125 (2000)

  • [文献書誌] H.Hashimoto et al.: "Genomic Organaization and Chromosomal Location of the Mouse Vascactive Intestinal 1(VPAC1) Recepter."Genomic. 58. 90-93 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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