研究概要 |
本特定領域研究では,重要にして不思議な生命現象を司る鍵化学物質に着目し,自然科学的にこれを解明するとともに,化学のみならず物質科学諸分野の新展開の契機となる鍵化学物質の発見を目指す.総括班として平成12年5月25日,26日の2日間,第1回の班会議を名古屋で開催した.全体会議,及び各研究項目での会議を通じて,研究目標の確認,研究成果達成のための相互討論を行った.また,平成12年9月27日,26日,名古屋において第1回の公開シンポジウムを開催した.講演14件,ポスター81件の成果発表があり,参加者160名が活発に議論できた.同時に,第2回の班会議が開かれ,研究進捗を把握することが出来た.以上の内容については,領域ニュースNo.1,No.2,No.3にまとめ関係研究者に配付した.総括班評価グループからの助言として,社会に向けての情報発信が大切との指摘を受けた.本特定領域の内容から重要であると判断して,1.マスコミ関係,2.ホームページの充実,3.出版物の刊行,を実現させつつある.一方,今年度12月15-18日,ハワイで環太平洋国際化学会議が開催された.本特定領域ではシンポジウムを開催したところ,3日間にわたり講演44件,ポスター103件の発表があった.ハイライト講演のいくつかが,BBCから世界に向けて発信された.そのうち,オニヒトデの食餌刺激物質はアメリカ,オーストラリア,イギリスで注目された.またアボガドの肝保護物質も話題となった.聴衆は350名以上を数えた.ナノモルスケールの構造決定が名古屋大学の800MHz核磁気共鳴装置と11年度購入の質量分析システムの充実で完成することが出来た.そのため本年度は,固体核磁気共鳴装置を購入し,生体膜と鍵物質の構造を解析することとした.さらに,大阪大学にLC質量分析計を追加で購入することができた.以上のように,必要な機器分析システムがほぼ揃いつつある. 研究項目A01の計画研究者の一部に変動があったが,特に問題はない.
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