研究課題/領域番号 |
11175101
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
上村 大輔 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00022731)
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研究分担者 |
村田 道雄 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40183652)
北川 禎三 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40029955)
海老塚 豊 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (90107384)
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キーワード | 花芽形成物質 / オニヒトデ誘因物 / ミドリムシの青色センサー / プラリナトガリネズミ / 固体NMR装置 / アンホテリシン二量体 / シガトキシン / ハリクロリン |
研究概要 |
本特定領域研究(A)では未解明生物現象を生物分子科学的に解きあかし、そこに潜んでいる重要で、歴史的な分子を発見することを目的としている。本年度は、2回の公開シンポジウムの開催と5号、6号の領域ニュースの発行を達成した。総括班としてはこれ以外に、2日間の班会議、海洋天然物についての国際会議(沖縄)、日韓セミナー(Teijun)を行った。総括班が特に強調したい領域全体の研究成果として、1)アサガオの花芽形成物質(吉原、渡辺)、2)オニヒトデ誘引物質(上村)、3)インフルエンザウイルス抑制物質(木戸)、4)ミドリムシの青色センサー(渡辺正)が中心成果であろう。総括班の中での成果を次に示す。短寿命系研究項目(北川)では生体色素の光反応過程(ミオグロビンのCO光解離)の理解を達成した。班の中心課題である生物発光については、順調に研究が進み統括できる状態にある。希少系研究項目(代表、海老塚)では、多様な骨格の構築酵素(購入したタンパク精製装置を使用)の理解と、発現の遺伝子を特定し、二次代謝産物の時間軸での制御を達成できた。複合系研究項目(上村)ではブラリナトガリネズミの麻酔物質の特定が達成された。最先端構造解析研究項目(村田)は固体NMR装置を使って、アンホテリシン二量体によるイオンチャネル形成機構を解明している。いずれも世界の最先端の研究であり、より一層の進展を目指す。特定領域の研究者が関連する成果としてシガトキシンの全合成(平間)、VCAM-1抑制物質ハリクロリンの全合成(ダニシェフスキー)が話題となった。さらに本特定領域からの発信化合物の評価が高まるよう努める。平成11年度購入の質量分析計の恩恵により、海洋天然物質特有の高分子ポリオールの解析が達成され、共生と物質生産という切り口の新しい天然物科学の幕開けが予感できるに至った。
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