研究課題/領域番号 |
11175101
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
上村 大輔 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00022731)
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研究分担者 |
北川 禎三 岡崎国立共同研究機構, 総合バイオサイエンスセンター, 教授 (40029955)
村田 道雄 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40183652)
海老塚 豊 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (90107384)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2003
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キーワード | 生物現象 / 短寿命 / 希少性 / 複合系 / 構造解析 / 鍵物質 / 天然物化学 |
研究概要 |
人類の生存にとって重要な物質科学は、新規化学物質の発見によって大きく進歩する。特に、学術的に高い関心があるにもかかわらず、関与する鍵化学物質の短寿命や稀少性、そしてそれらが複合することが障害となり、解決されていない生物現象に焦点をあて、近年急速に発展しつつある生物活性評価、機器分析、化学合成および分子生物学的手法の粋を結集・統合して本領域を推進した。平成11年度より研究項目A01-04(短寿命系ではたらく鍵化学物質、稀少系ではたらく鍵化学物質、複合系ではたらく鍵化学物質、天然分子の最先端構造解析)の実施メンバーによる総括班を発足させ、一部の計画研究を開始した。平成12年度より公募研究が加わり、本格的な領域研究を開始した。平成15年6月には成果とりまとめ公開シンポジウムを開催し、とりまとめを行った。 本領域の研究成果は、様々な自然科学の研究分野に大きな波及効果を示した。野外における生物現象を直視することが化学研究において極めて重要であることを内外に示すとともに、短寿命、稀少性を克服し、関与する様々な鍵化学物質の解明に成功した。また1化学の分野において分子生物的手法を自由にあやつり、微量で不安定な天然有機分子の生合成自在制御を可能にした。さらに、ナノモル量での構造解析、動的挙動の解析といった、新しい微量天然物化学の世界を拓いた。化学の立場から解決できるかどうかさえ不明であった、多くの重要な生物現象が見えるようになった。具体的成果として、食虫動物トガリネズミの毒とベッコウバチの麻酔物質、カバの汗の赤色色素、ジャガイモの塊茎形成物質の解明や、ホヤ精子誘引物質のナノモル量構造決定などが挙げられる。 本領域は国際的にも注目され、国際学会の主催14件、国際学会での招待講演292件、各学会からの奨励賞(文部大臣賞、白本化学会賞を含む)24件の業績を残した。また研究成果として論文等1261編、特許97件を発表した。
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