研究課題/領域番号 |
11181101
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研究機関 | 愛知県がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
田島 和雄 愛知県がんセンター(研究所), 疫学・予防部・研究所副所長兼疫学・予防部長 (30150212)
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研究分担者 |
古野 純典 九州大学, 大学院医学研究院, 教授 (70128015)
中地 敬 財団法人放射線影響研究所, 放射線生物学/分子疫学部, 部長 (00142117)
今井 浩三 札幌医科大学, 学長 (60117603)
浜島 信之 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 教授 (30172969)
玉腰 暁子 国立長寿医療センター, 疫学研究部, 研究員 (90236737)
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キーワード | 民族疫学 / 分析疫学 / 分子疫学 / 臨床疫学 / 分子疫学コーホート / 危険・防御要因 / 予防啓発 / 広報活動 |
研究概要 |
本研究領域は人間集団の文化的背景に根ざした生活事象としての疾病流行状況を疫学的手法に基づいて観察・分析することにより、がんの流行に影響する危険・防御要因を解明し、がん予防対策の策定に資する研究を展開してきた。 研究方法としては、コーホート研究や症例・対照研究など、分析疫学研究の基本的手法を用いており、機能的に民族疫学分野、分析疫学分野、分子疫学分野、臨床疫学分野の四つの研究の柱を組み、領域全体で包括的な疫学研究を進展させた。さらに、総括班に三つの委員会、1)大規模コーホート運営委員会、2)分子疫学生体材料利用委員会、3)ATL研究推進委員会を設置し、それぞれに多施設共同による全国規模のコーホート研究の推進、生活習慣情報や生体試料の収集と保存、本邦に好発しているATLの高危険群の同定と予防方法の開発、などを支援し、人間集団のがんを対象とした疫学研究を全国で展開させてきた。そして、本領域の中心的研究である大規模コーホート研究(解析対象は約11万人)は、「がん特別研究」を背景に昭和63年から開始しており、日本人の主要部位のがんの生活習慣関連要因の探索、保存血清の検索による生体指標を用いた発がんリスクの生物学的評価、など本邦のがん予防対策に資するための疫学的知見を集約した。 疫学研究は人間集団を研究対象としているので、その倫理的対応の重要性に鑑み、生活習慣調査資料や生体試料の収集・保存に当たり、調査協力者からインフォームドコンセントを得るための情報提供と守秘管理の強化に努めてきた。さらに、本領域の主要な研究課題として今後も長期計画で実施される予定の大規模分子疫学コーホート研究を推進するため、多施設参加を想定した研究方法の標準化と十分な倫理的対応を配慮した実施計画の標準マニュアルの作成を支援してきた。
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