1999 年度実績報告書

熱帯エネルギー・水循環経過

研究課題

研究課題/領域番号	11201202
研究機関	東京大学
研究代表者	虫明功臣東京大学, 生産技術研究所, 教授 (50011060)
研究分担者	鼎信次郎東京大学, 生産技術研究所, 助手 (20313108) HERATH Srikantha 東京大学, 生産技術研究所, 客員教授 (80240737) 渡辺明福島大学, 教育学部, 教授 (70114006) 山中大学神戸大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (30183982) 鈴木雅一東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (10144346)
キーワード	アジアモンスーン / 熱帯 / 水循環 / 水資源 / 大気陸面相互作用
研究概要	昨年度までに築き挙げた観測地点における水文・気象観測を継続的に行っている。すなわち、スコタイ水田における地表面水エネルギー収支観測、チーク林等における移動型水エネルギー収支観測、タイ東北部ノンカイ基地における乾季ゾンデ集中観測、タイ国内各地点におけるGPS大気水蒸気量観測、コグマ森林試験地における地表面水エネルギー観測、チェンマイ基地における降雨レーダー観測、EGATタワー基地における地表面水エネルギー観測などである。これらにより得られたデータを解析することにより、これまでほとんど未解明であった熱帯陸上の水循環過程、水資源形成について解明が進んでいる。例えば、降雨レーダーの解析により、タイ北部における降水量の日変化が地域ごとに異なり、日変化が東北進していることが判明した。この観測事実を数値モデルによる結果と合わせて解釈した結果、大規模季節風とローカルな山脈に励起された重力波がこの降水の時空間変化を作り出していることが判明した。その一方で1998年と1999年の傾向は大きく異なり年々変動の研究の重要性が示唆された。またスコタイ水田基地において観測された水エネルギー収支をより深く解析するために、水田植生水文モデルを構築し数値実験を行った。数値モデルにより水田の水エネルギー収支は良く再現され、さらに水面のない単なる耕地と水田との熱帯における特徴的な違いを数値実験により明らかにした。これは東南アジアの水資源問題における有効な基礎資料と成り得る。また、EGATタワー基地周辺の混合植生地において人工衛星画像による植生指標から広域蒸発散量を求める手法を確立しつつある。その他の観測、解析についても同様に数多くのことが解明されつつあると同時に、非常につよい年々変動のため、長期的に継続した観測の必要性がより強く認識されつつある。

研究成果

(8件)

すべてその他

すべて文献書誌 (8件)

[文献書誌] Koji DAIRAKU, Koichiro KURAJI, Masakazu SUZUKI, Nipon TANNGTHAM, Warin JIRASUKTAVEEKUL, Kowit PUNYATRONG: "The Effect of Rainfall Duration Intensity on Orographic Rainfall Enhancement in a Mountainous Area"Journal of Japan Society of Hydrology and Water Resources. Vol.13, No.1. 57-68 (2000)
[文献書誌] Takio Murakami, Jun Matsumoto, Akiyo Yatagai: "Similarities as well as Differences between Summer Monsoons over Southeast Asia and the Western North Pacific"Journal of the Meteorological Society of Japan. Vol.77, No.4. 887-906 (1999)
[文献書誌] 仲江川敏之: "散乱モデルに基づいた能動型マイクロ波リモートセンシングによる水田モニタリングによる基礎的研究"水工学論文集. Vol.44. 253-258 (2000)
[文献書誌] Shinjiro KANAE, Taikan OKI, Katumi MUSIAKE: "GAME-TROPICS STUDIES ON DEFORESTATION EFFECTS IN INDOCHINA"GEWEX News. Vol.9(2). 1, 4, 12 (1999)
[文献書誌] 渡辺哲平、沖大幹、虫明功臣: "タイにおける大気水収支法と広域蒸発散量"水文・水資源学会誌. Vol.12, No.3. 221-230 (1999)
[文献書誌] 新井宗之、金元植、沖大幹、虫明攻臣: "熱帯水田へのSiB2の適用と水田スキームの導入"水工学論文集. Vol.44. 175-180 (2000)
[文献書誌] 松田咲子、西田顕郎、大手信人、青木正敏、Smakkee BOONYAWAT 他: "熱帯モンスーン地域における広域潜熱フラックス推定に向けたNDVI--輝度温度関係の特性解析"水文・水資源学会誌. Vol.13, No.1. 44-56 (2000)
[文献書誌] 鼎信次郎、沖大幹、虫明功臣: "インドシナ半島における森林伐採が降水に与える影響に関する研究"生産研究. Vol.51, No.6. 579-582 (1999)

1999 年度 実績報告書

熱帯エネルギー・水循環経過

研究代表者

虫明 功臣 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (50011060)

研究成果

[文献書誌] Takio Murakami, Jun Matsumoto, Akiyo Yatagai: "Similarities as well as Differences between Summer Monsoons over Southeast Asia and the Western North Pacific"Journal of the Meteorological Society of Japan. Vol.77, No.4. 887-906 (1999)

[文献書誌] 仲江川敏之: "散乱モデルに基づいた能動型マイクロ波リモートセンシングによる水田モニタリングによる基礎的研究"水工学論文集. Vol.44. 253-258 (2000)

[文献書誌] Shinjiro KANAE, Taikan OKI, Katumi MUSIAKE: "GAME-TROPICS STUDIES ON DEFORESTATION EFFECTS IN INDOCHINA"GEWEX News. Vol.9(2). 1, 4, 12 (1999)

[文献書誌] 渡辺哲平、沖大幹、虫明功臣: "タイにおける大気水収支法と広域蒸発散量"水文・水資源学会誌. Vol.12, No.3. 221-230 (1999)

[文献書誌] 新井宗之、金元植、沖大幹、虫明攻臣: "熱帯水田へのSiB2の適用と水田スキームの導入"水工学論文集. Vol.44. 175-180 (2000)

[文献書誌] 松田咲子、西田顕郎、大手信人、青木正敏、Smakkee BOONYAWAT 他: "熱帯モンスーン地域における広域潜熱フラックス推定に向けたNDVI--輝度温度関係の特性解析"水文・水資源学会誌. Vol.13, No.1. 44-56 (2000)

[文献書誌] 鼎信次郎、沖大幹、虫明功臣: "インドシナ半島における森林伐採が降水に与える影響に関する研究"生産研究. Vol.51, No.6. 579-582 (1999)

1999 年度実績報告書

虫明功臣東京大学, 生産技術研究所, 教授 (50011060)