研究課題/領域番号 |
11201203
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
坪木 和久 名古屋大学, 大気水圏科学研究所, 助教授 (90222140)
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研究分担者 |
加藤 内蔵進 岡山大学, 教育学部, 助教授 (90191981)
上田 博 名古屋大学, 大気水圏科学研究所, 教授 (80184935)
中村 健治 名古屋大学, 大気水圏科学研究所, 教授 (20262917)
藤吉 康志 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (40142749)
池淵 周一 京都大学, 防災研究所, 教授 (20026181)
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キーワード | 中国淮河流域 / 梅雨前線 / ドップラーレーダー観測 / 大気陸面システム / メソスケール水循環 / 流域水収支 / 4次元同化 / 陸面熱・水フラックス |
研究概要 |
阜陽の気象レーダーデータを補正して広域の降水量を求める方法を開発し、得られた降水量データと気象庁客観解析データを用いて1998年6月21日から7月10日にかけて行われた集中観測期間中について水収支解析を行なった。梅雨前線北上時の6/28-30(PeriodI:温暖前線型)と、南下時の7/1-3(Period II:寒冷前線型)にかけて大雨が降ったが、可降水量は降雨が始まる前に急激に増加し、降雨後半に急激に減少するという変化が両者に共通して見られた。さらに、ドップラーレーダーデータ、静止気象衛星ひまわりの雲頂輝度温度データの解析によりPeriod IとPeriod IIの降水システムの発達過程について調べ、降水効率に違いが生じた原因について議論した。 1998年梅雨期における長江流域での前線帯スケールでの大雨とアジアモンスーンの特異な振る舞いとの関係について解析し、対流活動域が南シナ海を東進しながらも西太平洋域東部まで拡大せずに終わるサイクルの中で、前線帯への強い北向き水蒸気輸送が維持されていたことが明らかになった。また梅雨の淮河流域で形成されたメソα低気圧の発生に関するプロセスを明らかにした。 中国淮河流域を対象としたマクログリッド型流出モデルを構築し、1998年5月1日から8月31日までの123日間について実測の河川流量との比較を行なった。現時点での計算結果は、計算開始から60日目以降の計算流量が実測流量と異なる結果となっており、この違いを解消することが今後の課題となった。 HUBEXの研究に関する研究成果と情報の交換をするために、"International GAME/HUBEX"を2000年9月12日〜14日に札幌で開催した。参加者は中国、韓国、日本から全部で80名近くが集り、梅雨期の降水と水・熱エネルギー循環に関する観測やモデリングについて多くの発表があり、特別観測後の具体的な方針や問題点について討論した。
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