研究課題/領域番号 |
11202201
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
駒宮 幸男 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (80126060)
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研究分担者 |
山下 了 東京大学, 素粒子物理国際研究センター, 助手 (60272465)
真下 哲郎 東京大学, 素粒子物理国際研究センター, 助手 (60181640)
小林 富雄 東京大学, 素粒子物理国際研究センター, 教授 (50126059)
竹下 徹 信州大学, 理学部, 助教授 (70154995)
武田 廣 神戸大学, 理学部, 教授 (30126114)
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キーワード | 素粒子物理 / 電子・陽電子衝突型加速器 / エネルギーフロンディアー / 新粒子探索 / ヒッグス粒子 / 超対称性粒子 / 高エネルギー物理学 / 超対称性大統一理論 |
研究概要 |
平成12年末のLEPの運転終了後、最重要課題であるヒッグス粒子の探索や超対称性粒子の探索の包括的な解析を行なってきた。常に新しいアイデアを取り入れるよう心がけ、かつ重点項目に研究を集中するように留意した。この結果、OPALの他の外国の協同研究者がなし得なかった非常に重要な貢献を物理解析において成し遂げることが出きた。 ヒッグス粒子探索の探索では、素粒子物理にインパクトを与える重要な結果を得ている。 \begin{enumerate} \item今までの解析結果から、標準理論的なヒッグス粒子探索においてはLEPの4実験で合わせた結果、その質量の下限値をほぼ114〜GeV付近まで上げることに成功したことは特筆に値する。これは将来の最高エネルギーでの研究の指針となり、非常に重要である。 \item超対称性で預言されるヒッグス粒子の探索を結果から超対称性理論のパラメーターである二つのヒッグス場の真空期待値の比tan$\beta$で約3以下の領域も排除することができた。 \end{enumerate} 標準理論を超える理論として最も有力で、重力も含む4つの力の統一を実現する可能性を持つ超対称性理論の予言する新粒子群を系統的に探索した。 \begin{enumerate} \itemチャージーノはほぼ全ての超対称性パラメータ領域で質量の下限を103〜GeV程度まで上げることができた。 \item宇宙論で問題とされるダークマターの候補であるニュートラリーノの質量にも更に強い制限を与えることができた。 \item従来の超重力に起因するモデルだけでなく、Gauge mediated SUSY breakingでの超対称性粒子の探索も精力的に行なわれ、強い制限を得ることができた。 \end{enumerate} 研究班「精密測定による素粒子相互作用の研究」と協同で、最近理論的研究の進むextra dimensionに対する研究を行なった。精密測定の結果を用い、extra dimensionの効果で見えてくると期待される重力子などの影響をデータの中で詳細に調べた。これにより、超次元の次元数とその大きさに制限をつけることができた。
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