研究課題/領域番号 |
11203204
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研究種目 |
特定領域研究(B)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
村木 綏 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (70013430)
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研究分担者 |
阿部 文雄 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教授 (80184224)
増田 公明 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教授 (40173744)
松原 豊 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教授 (80202323)
柴田 祥一 中部大学, 工学部, 助教授 (20267909)
藤本 和彦 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教授 (10022617)
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キーワード | 太陽中性子 / 太陽物理学 / 粒子加速 / チベット高原 / イオン加速機構 |
研究概要 |
チベット高原における宇宙線研究という特定領域の中で、我々名古屋大学を中心とするグループの分担課題は、太陽物理学である。特にその中でも、太陽表面におけるイオン加速機構の解明を目指している。本目的を達成するため、1998年9月にチベット高原のヤンパーチン国際宇宙線観測所(4300m)に面積9平方メートルの太陽中性子望遠鏡を設置した。 今年度は本科研費を使用して、チベット太陽中性子望遠鏡の機能強化と、データ解析を推進した。科研費はハード的な面の補強用に使用した。9平方メートル太陽中性子望遠鏡に、気圧計を設置したこと。また今まで東西・南北合わせて25方向しか到来方向を区別できなかった装置を、81方向まで分類できるよう拡張したことである。これにより大天頂角で入射してくる太陽中性子の方向も記録できるようにした。 ソフト面ではモンテカルロ計算を精力的に実施し、今までの中性子伝幡に使用される柴田モデルに含まれていなかった、パイ中間子発生機能を含んだ、モンテカルロコードを作成した。これは陽子まで含んだ、低エネルギー陽子・中性子の大気中での伝幡追跡を可能にした。新しいモンテカルロコードにより1998年11月28日、チベット高原でX=3.3のフレアに伴って観測された事象が、中性子によるということがますます信頼性をもって言えるようになった。もしこの事象が中性子による事象だと確定すれば、太陽物理学のブレークスルーになる事象となるため、さらに慎重にかつ精力的に解析を鋭意進めている最中である。
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