研究分担者 |
玉木 賢策 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (50188421)
松本 良 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (40011762)
安田 尚登 高知大学, 海洋コア総合研究センター, 教授 (90175646)
高橋 孝三 九州大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30244875)
西 弘嗣 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20192685)
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研究概要 |
Leg197(天皇海山列);古地磁気解析から天皇海山列は現在のオアフ島の緯度より有意に北にずれており、従来のデータと合わせてハワイ・ホットスポット自体が白亜紀以降10度ほど南下したという可能性を強く支持する結果が得られた。 Leg198(シャツキー・ライズ);前期白亜紀放散虫群集は主にプリュームの活動に伴う二酸化炭素の供給により温暖化した時代に群集を変化させる傾向があることが判明した。その群集変化は段階的に入れ替わる場合と、種の放散が起る場合の2パターンが存在することが判明した。さらに,南大西洋の拡大に伴う海流の変化(水塊構造の変化)は、ある程度の時間差で群集を変化させる可能性が示唆された。 Leg207(デメララ・ライズ);K/T境界の堆積物は,チョーク層に挟在される1.5〜2cmのEjecta layerで特徴づけられることが判明した.また、P/E境界、海洋無酸素事変2(OAE2)に対比されるセノマニアン/チューロニアン境界も併せて採取された。また、高精度古地磁気解析から、デメララ・ライズが白亜紀後期から古第三紀にかけてほぼ赤道上に位置していたことを明らかにした.この結果は、従来北方に移動したとされていた南大西洋プレート運動と異なる新事実である。 Leg208(南大西洋のナミビア沖);古第三紀の暁新世と始新世の境界に硫黄同位体比の正スパイクが存在することから、メタンが湧出した際のメタン酸化バクテリアの酸素消費によって,嫌気的となった水柱で硫酸イオンがメタン酸化の電子受容体として使われ,また硫酸還元バクテリアが活動することによって大量の硫酸還元が短期間に生じたことが示唆された。また、底生有孔虫と浮遊性有孔虫の炭素同位体比の負シフト値から、メタン起源のCO_2付加に伴って大気・海洋のCO_2リザーバ全体の炭素同位体比が約2.5-2.7‰程度負にシフトし,ノルマルアルカンに見られる更なる負シフトは温暖・湿潤化などにより植物の光合成時の同位体分別効果が変化したことが推察された。
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