研究概要 |
深海底は、地球内部とくにマントルからの熱と物質の放出過程を支配している。また、海洋は種々の物質の貯蔵庫であり、地球表層での物質の循環に深く関連している。地球内部のダイナミックスは地球表層の環境変遷と多様な時空のスケールで関連している。深海底には過去1億5千万年の地球システム変動の記録が地層に残されており、その記録の解読は地球システム科学の発展のために極めて重要である。深海底研究の推進のためには、海底を掘削して直接試料(コア)を採集し、その年代や諸特性を分析し、また掘削孔を用いた地殻の諸性質の測定(孔内計測)、さらに孔内長期観測ステーションによって地球内部の変動を観測することが必要となる。 本年度は平成11〜16年度に実施した研究(領域番号1.海洋底ダイナミックスの包括的研究(統括斑、領域番号2.海洋プレート沈み込み帯の研究、領域番号3.マントルプルームと海台の研究、領域番号4.海底メタンハイドレート層の研究、領域番号5.海底地圏生態系と生物進化史の研究)の纏めが行われた。代表的な成果発表会は下記の通りである。 1.17年5月に地球惑星科学関連学会2005年合同大会において、「海洋底/地球掘削科学(IODP/ICDP)の成果と将来計画」のタイトルでシンポジウムを実施した(領域1&2)。 2.17年12月のAGUでは各セッションで総数10件を越す発表を行うと共に、海外の研究者と地球内部ダイナミックスの全体像について議論を交わした(領域1,2,3.4,&5)。 3.平成18年1月には海洋研で2日に亘り古海洋シンポジウムを開催した(34件の研究成果報告)。この結果、過去1億年の地球環境変動について詳しい議論が行われた(領域5)。 これらの研究成果発表をもとに最終的な取りまとめが行われ、それらの成果をHPに掲載した。 [http://ofgs.ori.u-tokyo.ac.jp/~tokuyama/tokutei/index.html]
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