研究分担者 |
斎藤 実篤 東京大学, 海洋研究所, 助手 (40292859)
望月 公廣 東京大学, 海洋研究所, 助手 (80292861)
石井 輝秋 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (80111582)
有馬 眞 横浜国立大学, 教育人間科学部, 教授 (10184293)
木村 学 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (80153188)
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研究概要 |
本研究の目的は海洋プレートの沈み込みに伴う諸現象を定量的に吟味し,地震発生帯,物質循環,地殼形成のメカニズムを解明することである. 本目的達成のためにODP第186節により三陸沖日本海溝陸側斜面において2地点で掘削が行われた. それらの掘削孔内にはプレート境界の物性の研究行う目的で,それぞれ長期孔内地殼変動観測所を設置した.掘削点は海溝陸側斜面の水深2700m(サイト1150),約2100m(サイト1151)の2カ所である。2掘削点は約50km程南北に離れており,それぞれ地震活動の活発な場所と,比較的不活発な場所に対応している。この特徴の違う2カ所で歪み変化過程を観測することにより,地震活動,地殼構造の違いと組み合わせて海域での地震発生のプロセスについて理解することが長期孔内地殼変動観測の主目的である. 長期孔内地殼変動観測システムは,高感度広帯域歪み計,広帯域地震計,高感度傾斜計から構成されたものである.観測可能期間は数年-10数年を視野に置いていることから,長期にわたって,高精度に歪みや長周期の地震動を測定するために,センサー群の設置にこれまで行われたことのない工夫が施されている.取得されたデータは海底で取り外し可能なレコーダに記録され,ROVにより回収することが可能である. 設置後約1ヶ月後の1999年9月上旬に,JAMSTEC所有ROV「ドルフィン3K」で観測所の起動と,初期データの取得を行った.実験的に回収された地震波,歪み量,傾斜量ともに極めて雑音レベルが低い高解像データであったことから,今後の成果が期待される. また,掘削時に堆積物の現地性物理量を計測する目的で,LWD孔内計測を実施した.この物理量はプレートの沈み込みに伴う物質循環の解明に大きく貢献するものと推察される.
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