研究分担者 |
斉藤 実篤 東京大学, 海洋研究所, 助手 (40292859)
望月 公廣 東京大学, 海洋研究所, 助手 (80292861)
石井 輝秋 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (80111582)
有馬 眞 横浜国立大学, 教育人間科学科, 教授 (10184293)
木村 学 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (80153188)
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研究概要 |
本研究の目的は海洋プレートの沈み込みに伴う諸現象を吟味し、地震発生帯、物質循環、地殻形成のメカニズムを解明することである。 本目的達成のためODP第190節により,南海トラフの室戸岬沖で5地点,足摺岬沖で1地点ので計6地点で掘削が実施された。その結果,以下の事柄が明らかにされた. 1)デコルマンは室戸沖,足摺沖ともに同一時代面(6-7Ma)に発達する. 2)室戸沖における付加プリズム先端部のデコルマンは,均質で格別特徴のない半遠洋性泥岩に発達する.その厚さは,20-32mで,激しく塑性変形している.また,デコルマンの下部は,上位のプリズムと,下位の沈み込む層準との物質境界にあたる. 3)トラフ軸より海側のレファレンスサイトと変形前線サイトで得られた物性値の比較から,堆積物のコンパクション,崩壊,そして水抜けは付加作用に伴って発生し,また付加プリズム中においては異なる続成作用,間隙充填,埋積史を持つことが明らかとなった. 4)室戸沖では四国海盆下部層中に〜350mの厚さで,間隙水中のCl含有量が低い層準が存在する.その理由として,イ)本地層中,あるいはより深部での粘土鉱物に由來する脱水作用,ロ)地震発生帯でのClの吸収,が考えられる. また,御前崎沖の東南海トラフにおいて,地震発生帯のイメージングを目的とした3次元マルチチャンネル音波探査を日仏共同で実施した.その結果以下の事柄が明らかとなった, 1)調査範囲には東海断層系,小台場断層系の活断層群が連続的に認められる. 2)東海断層系,小台場断層系の地下深部(往復走時約7.5秒;深度10km程度)には,低角度で陸側へ傾斜した主すべり面(マスターデコルマ面)が認められる.両断層系の断層面は,いずれもこのマスターデコルマ面に収斂している,
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