研究課題/領域番号 |
11204201
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
徳山 英一 東京大学, 海洋研究所, 教授 (10107451)
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研究分担者 |
木村 学 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (80153188)
望月 公広 東京大学, 地震研究所, 助手 (80292861)
石井 輝明 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (80111582)
末広 潔 海洋科学技術センター, 深海研究部, 部長(研究職)
斉藤 実篤 海洋科学技術センター, 深海研究部, 副主幹(研究職) (40292859)
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キーワード | 地震発生帯 / 沈み込み帯 / 南海付加体 / 物質科学 / 深海掘削 / 孔内計測 |
研究概要 |
本研究の目的は海洋プレートの沈み込みに伴う諸現象を吟味し、地震発生帯、物質循環、地殻形成のメカニズムを解明することである。 本研究目的解明のため、本年度はODP第196節により,南海トラフの室戸岬沖で2箇所で掘削が実施された。1地点は付加前の構造・物性を確認するためのレファレンスサイト(site1173)として、トラフ軸の海側に位置している。一方、他の1地点(site1174)は、オフスクレープされた直後の堆積物の構造・物性を、明らかにする目的で、トラフ軸からわずかに陸側に位置している。本レグでは掘削しながら検層するLWD(Logging While Drilling)と、掘削孔内にACORKと呼ばれる長期孔内計測機器を設置し、孔内の温度・圧力、さらには間隙水の化学組成の時間変動の計測が主目的であった。本航海の成果は,以下の通りである。 1)上部の四国海盆堆積層(泥質)はsite117では圧縮トレンドと相反し深度が増すにつれて増加する。一方、site1174では深度が増すにつれて減少する。 2)site1173では、上部と下部四国海盆堆積層の境界で、間隙率、密度、比抵抗に急激な変化が認められた。これは、opalからopalCTへの続成作用の境界に対応する。 3)site1173では、下部四国海盆堆積層の間隙率は、深度が増すにつれて減少する。 4)site1174では、デコルマンより上位の地層中にはフラクチャーが一般的に発達している。 5)site1174で、デコルマンおよびその近傍において初めて信頼にたる検層が行われた。その結果、デコルマンの深度・および厚さ(937-965m)が判明した。また、デコルマンは一様な物性をもつのではなく、少なくとも4枚の低密度・高間隙率層が確認された。この4枚の層は高伝導度であることから、間隙水が充填しているものと考えられる。
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