研究課題/領域番号 |
11204202
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
玉木 賢策 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (50188421)
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研究分担者 |
藤本 博巳 東北大学, 大学院・地震火山予知研究観測センター, 教授 (50107455)
沖野 郷子 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (30313191)
COFFIN Millard 東京大学, 海洋研究所, 教授 (70343100)
中西 正男 千葉大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (80222165)
海保 邦夫 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00143082)
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キーワード | マントル対流 / マントルプルーム / 海台 / 白亜紀 / プレートテクトニクス |
研究概要 |
今年度は、コフィン、中西による白鳳丸太平洋マニヒキ海台研究航海と海保による中国地質調査を主として実施した。 マニヒキ海台では、その中央部に存在するデインジャー島トラフにそって、マルチナロービーム精密地形観測、プロトン磁力計による地磁気観測、船上重力計による重力異常観測、および海底露頭よりの岩石採取を実施した。その結果、これまで実態のほとんど知られていなかった、デインジャー島トラフの地形、構造の全貌を初めて明らかにすることができた。また、精密地形観測により岩石露頭を特定し、玄武岩から構成される岩石試料を複数採取することに成功した。予察的な地形解析では、同トラフ南部は南北走向を持ち、地形特徴は東西方向の伸張テクトニクスによるリフト構造を示し、同トラフ北部は東西走向で、その地形特徴から、トランスフォーム横ずれ断層帯ではないかと推定される地形を示す。このような顕著なリフト構造の存在は、マニヒキ海台が伸張応力場の下で形成され、それが、マニヒキ海台形成の大規模火山活動終了後も継続していたことを示唆する。玄武岩岩石試料は現在化学分析中であるが、これまで岩石試料の極めて少ないマニヒキ海台の火山活動の性質を明きあらにできるものと期待される。 中国の地質調査は、大規模火成活動と生物の大量絶滅の関係を明らかにする目的行った。中国南部のライビンの後期ペルム紀初頭の地層と中国南部のメイシャンの後期ペルム紀末の地層の調査を実施し、地層中に保存されている化石と有機物を分析した。後期ペルム紀の初頭と末に生物の大量絶滅が起きていることが知られているが、絶滅に要した時間と原因はよくわかっていなかったが、今回の調査では、両方の大量絶滅は共に1000年以内の極短期間に起きたことが明らかになった。さらに、後期ペルム紀の初頭の大量絶滅に伴う炭素同位体比の負異常を初めて観測され、同時期の大規模な環境変動が示唆された。
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