研究課題/領域番号 |
11205201
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
道田 豊 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (20323628)
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研究分担者 |
力石 國男 弘前大学, 理工学部, 教授 (70038561)
乙部 弘隆 東京大学, 海洋研究所, 助手 (10169328)
柳本 大吾 東京大学, 海洋研究所, 助手 (40260517)
小賀 百樹 琉球大学, 理学部, 助教授 (50153515)
橋本 良夫 九州大学, 応用力学研究所, 助教授 (80180842)
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キーワード | 海流モニタリング / 日本海 / 東シナ海 / 海底ケーブル電位差 / 黒潮流量 / 水温プロファイル / 中層フロート / NEAR-GOOS |
研究概要 |
海底ケーブルの電位差観測による海流モニタリング研究は、本特定領域研究の最終年度に観測10周年を迎えた。最盛期には津軽海峡、対馬海峡(2ヶ所)、南西諸島海域、伊豆諸島海域、トカラ海峡で計10本のケーブルを用いて観測が行われていたが、最近は同軸ケーブルの撤去が進み、津軽海峡と対馬海峡の一部で観測停止を余儀なくされた。また、三宅島における観測は2000年6月の地震・火山活動で故障したが、2002年12月にケーブルの断線を修理して観測を再開した。 今年度は、東シナ海の数値予報モデル構築のための基礎データとして、2000年9〜10月の対馬暖流(対馬海峡及び津軽海峡)と黒潮(南西諸島海域及びトカラ海峡)の流量変動の評価値を求めた。また、これまでの対馬海峡・トカラ海峡・伊豆諸島海域における観測結果を用いて、流量と電位差との変換係数、変動のタイムスケール、大気変動の影響、水位差(海面の地衡流)との関係などについて比較研究を行った。南西諸島海域については、Matsumoto et al.(2000)の潮汐潮流モデルと比較し流量と電位差の関係を求め、2000年秋のADCP及び係留系による直接測流結果との比較を行った。さらに、人工衛星の海面高度計データと電位差・水位差データを比較して、伊豆諸島海域の黒潮流軸変動やトカラ海峡の流量変動が中規模渦の伝播によって引き起こされていることをつきとめた。 また、日本海の海洋モニタリングを目的とし、4台のプロファイリングフロートを利用して観測を行なった。2台は1998年6月に大和海盆内に、2台は1999年10月に大和堆東方に投入した。3台は津軽海峡を抜けて太平洋に流出したものの、流出までに日本海極前線における水温・流速観測が実施できた。また、1台は日本海盆を大きく一周した。いずれのフロートからも、まだ観測例の少ない日本海における流動現象に関する知見を得ることができた。
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