研究課題/領域番号 |
11205207
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研究種目 |
特定領域研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
古谷 研 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (30143548)
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研究分担者 |
才野 敏郎 名古屋大学, 大気水圏科学研究所, 教授 (60126068)
蓮本 浩志 東京大学, 海洋研究所, 助手 (10164807)
高橋 正征 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (50111357)
斉藤 誠一 北海道大学, 水産学部, 教授 (70250503)
石丸 隆 東京水産大学, 水産学部, 教授 (90114371)
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キーワード | 基礎生産 / 植物プランクトン / 北東アジア縁辺海 / 海色 / GOOS / NEAR-GOOS / 海洋環境モニタリング |
研究概要 |
本研究の第一の目的である光生物学的パラメータの取得およびデータベースの作成については、平成11年7・8月に白鳳丸航海(KH-99-3)に参加して北部北太平洋における観測を実施し、基礎生産力、最大光合成速度、光合成量子収率、生体蛍光特性、植物プランクトン光吸収係数、光合成色素、水中分光照度および上向き分光輝度、太陽光放射について夏季の実測値を得た。これらをデータベースに組み込むため測定値の精度評価を現在進めている。当該海域は低クロロフィル高栄養塩で特徴づけられたため、基礎生産力が鉄供給によって律速されているとの仮説を検証する実験を行った。1〜2nMの鉄添加によって光合成ム光曲線および光合成の量子収率に明瞭な増加効果が認められ、光化学系に対する鉄の影響が判明した。鉄律速は亜寒帯海域中央部から東部にかけて広範に起こっていることがわかった。日本海における光生物学的パラメータの取得は同年9・10月の白鳳丸航海において行った。これに加えて東京水産大学「海鷹丸」による日本海観測を同年7・8月に実施して上記と同様のデータセットを取得した。これらの結果は精度評価をした後データベース化する。 植物プランクトン光吸収係数は、海色情報から基礎生産を見積もる場合に不可欠であるが、測定法が確立されていないため、研究者間の測定値の相互比較が困難な場合が少なからず生じている。このため本研究計画の代表・分担者を中心に測定法の統一化を目的としたワークショップを5月に岩手県大槌において開催した。全国から30名の参加者を得て実験と相互検定を行い、標準的な光吸収測定プロトコルが得られた。 人工衛星による海色デ一タについては、OCTS画像の処理、およびSeaWiFSデータの取得と解析がすすみ、月別のクロロフィルマップが作成され、3月から6月にかけて春期の植物プランクトンブルームが北上する様態が明らかとなった。
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