研究課題/領域番号 |
11207101
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研究機関 | 高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
近藤 敬比古 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (30150006)
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研究分担者 |
武田 廣 神戸大学, 理学部, 教授 (30126114)
尼子 勝哉 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (50044772)
海野 義信 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (40151956)
新井 康夫 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (90167990)
小林 富雄 東京大学, 素粒子物理国際研究センター, 教授 (50126059)
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キーワード | 素粒子物理学 / 高エネルギー加速器 / LHC計画アトラス実験 / トリガーチェンバー / 電子回路 / ソレノイド / シリコン半導体飛跡検出器 / シミュレーション技術 |
研究概要 |
この総括班で領域の5計画研究の進行を常時モニターし、事務処理を行う一方海外渡航を一括処理した。 (1)ミューオントリガーチェンバー(TGC)開発と建設:高エネルギー加速器研究機構に於て、T4・T5型TGC大量生産時製作の各工程について装置・治具及び作業手順の改良を行い約320台のTGCを製作した。これで本年度末迄に実機1100台全数を完成した。神戸大の検査設備では運搬、ガスリーク試験・高電圧試験・検出効率測定など工程の効率化を進めチェンバー約500台の検査を行い、昨年度までの検査分も合わせて検査合格T7型チェンバー617台をCERNへ搬送した。CERNでの受入は検査装置・手順を開発し、神戸からのT7型チェンバーの検査を行い損傷・異常等が無いことを確認した。ATLAS測定器への組込手順について、CERNの担当者と議論し検討を行った。 (2)ミューオントリガー電子回路の開発と建設:2002年度末に試作電子回路とTGCチェンバーの接続に成功した後、6月と9月にCERNにおいてビームテストを実施し、TGCシステム全体を検証し40MHzパルスビームに対するトリガー機能を実証した。各種の特殊LSIチップの製造やデバッグが進んだが1種類の設計が遅れた。放射線損傷テストはほぼ終了。ケーブルやコネクターなどの仕様を決め生産や購入を行った。 (3)ミューオン飛跡測定用時間測定集積回路の開発と建設:最終版AMT3チップを18,000個量産し、ボード組み立てを担当するイスラエルや米国に送った。異常なスパイクパルス入力の場合の対策を検討中。 (4)超伝導ソレノイド磁場内でのシリコン半導体飛跡検出器の開発と建設:シリコン検出器センサーの日本担当分は全て(約5000枚)製造した。シリコン検出器モジュール量産を完了しつつある。ハイブリッドなどを製造しイギリスなど他のモジュール生産国に供給した。部品の品質低下が一部にあり量産が遅れている。ソレノイドのコイル部分をCERNで液体アルゴンクライオスタットに据付けた。 (5)データ収集と測定器シミュレーション技術の開発と建設:イベントビルダー技術の一つとしてQoS法を提案しアトラス実験オンラインプログラムを使って試験し成果を発表した。ミューオントリガー電子回路用のオンラインプログラムを作った。物質と粒子のシミュレーションプログラムGeant4の向上に努めた。
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