研究課題
これまで5年にわたり行ってきたATLAS実験におけるミューオントリガー電子回路の開発と建設は、本年度が最終年度である。ミューオントリガーチェンバーの量産はほぼ全数が終了し、電子回路も製作が完了したしたものから順次チェンバーに取り付けでいき、段階的に検査、組立てを進めている。電子回路の主な部分に関する研究実績は以下の通りである。1)ASD電子回路ミューオントリガーチェンバーからの信号を整形・ディジタル化するこの電子回路は、全数(予備も含め40万チャンネル分)の製作と検査が終了しており、現在チェンバー本体への取付け・検査の作業中である。これまでに約90%が終了し、予定通りの性能が確認されている。宇宙線を用いた総合試験も行っており、約60%がCERNに輸送されている。2)トリガー電子回路および読み出し電子回路ASDからの信号を組み合わせて高速でミューオンの同定を行うトリガー電子回路と、これら全データを読み出すための電子回路の量産用LSIチップの製作と最終試験を行った。また回路ボードの製作、回路部品の組み込んでの総合試験も行い、設計通りの性能が確認された。これで、来年度早々量産に取りかかれることになった。3)チェンバーモニター用電子回路チェンバーや各種電子回路等の状態モニターおよびコントロールを行うためのシステムの最終設計に基づいた電子回路ボードを製作し、チェンバーや他の電子回路を含めた総合試験を行い、良好な結果を得た。これで、来年度の量産用回路の製作に向けての準備は整った。
すべて 2004
すべて 雑誌論文 (2件)
Proceedings of the tenth workshop on electronics for LHC and future experiments (Boston, USA)
ページ: 117-121
ページ: 389-393