研究課題/領域番号 |
11207204
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研究機関 | 高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
海野 義信 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (40151956)
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研究分担者 |
近藤 敬比古 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (30150006)
山本 明 高エネルギー加速器研究機構, 低温工学センター, 教授 (30113418)
中野 逸夫 岡山大学, 理学部, 教授 (90133024)
池上 陽一 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (20222862)
寺田 進 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (70172096)
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キーワード | 高エネルギー物理学 / シリコン半導体測定器 / 超伝導電磁石 / 放射線耐性 / シリコンストリップセンサー / 運動量の測定 / 位置分解能 / LHC |
研究概要 |
本研究は、ATLAS実験装置で衝突点より発生する荷電粒子の飛跡検出と粒子の運動量の測定を行うため、ソレノイド磁場を作る超電導電磁石及び高精度の飛跡検出を行うシリコン半導体飛跡検出器の開発と建設を行う。LHCで期待される物理の検出には、反応から発生する全粒子の飛跡検出が物理信号の検出・信号濃縮に必須であり、また、予期せぬ物理の発見には粒子群の視覚化が効果の高い方法である。飛跡検出器の外には電磁カロリーメータが置かれるため、超電導電磁石は粒子の通過を邪魔しないよう極力薄く作り、コイル部そのものを薄くするだけで無く断熱のためのクライオスタットを液体アルゴン電磁カロリーメータと共用する設計で開発・建設する。シリコン半導体飛跡検出器では、反応点から発生する多数の粒子による放射線損傷に耐え得るシリコンストリップ測定器の開発とともに、必要となる大面積(全体で約31平方メートル、シリコン量で約62平方メートル)をカバーするための高精度シリコンストリップ測定器モジュールの開発、及び日本分担の690モジュールの検査、モジュールを高精度に配置する第3層円筒シリンダー(直径90cm、長さ1.6m)の開発・建設を行う。平成12年度に於いて、超電導ソレノイド電磁石では、チムニーの単独テスト、コイルの液体アルゴン内筒取付が行われ、コイルの励磁テストを成功裏に完了した。シリコン半導体飛跡検出器の開発では、シリコンストリップセンサー放射線耐性の確認、高精度シリコンストリップ測定器モジュール製作のための製作ジグの開発、最終読み出しLSI候補に対応した銅ポリイミド基材による読み出しハイブリッドの量産前試験、読み出しハイブリッドを搭載したシリコンストリップモジュールの最終設計・量産前試験を継続中である。
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