研究分担者 |
真鍋 篤 高エネルギー加速器研究機構, 計算科学センター, 助手 (90202332)
神前 純一 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (60169787)
渡瀬 芳行 高エネルギー加速器研究機構, 計算科学センター, 教授 (70018662)
長坂 康史 長崎総合科学大学, 電気工学科, 助手 (20299655)
藤本 順平 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (90202291)
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研究概要 |
本研究の目的は、アトラス測定器によりCERN/LHC陽子・陽子衝突型加速器で生じる〜10**8/秒の事象の中から、物理的に重要な過程のみを選択的に収集しデータ解析を行い、最終目的である物理結果を導くという一連のデータ収集解析技術の開発および建設である.本年度はデータ収集解析技術の開発の基礎となるGeant4を用いたATLAS測定器シミュレーター全体(フレームワーク)の建設が重要な課題の一つであった.測定器シミュレーター開発は世界に分散する多数の研究者の共同建設を通して行われ,シミュレーション・フレームワークはその開発の基礎となる.従って,その安定性と高信頼性を確立することが重要な課題となる.シミュレーター・フレームワークは本研究参加者が中心となり開発されたGeant4測定器シミュレーションプログラムを基礎に,オブジェクト指向解析及びオブジェクト指向設計技術に基づき設計し,その実装はC++言語を用いて行った.設計において重視した点は,動的充填法(Dynamic Loading)を用いて,シミュレーションプログラムのメモリー消費量を極力押さえることであった.アトラス測定器は非常に複雑な測定器要素からなり,測定器全体の情報をシミュレーションに組み込むとプログラム規模は膨大となることが予測された.従って,設計当初から動的充填法でプログラム規模を押さえることが実用上は不可欠であった.また、測定器幾何学形状データの記述にはXML言語を用いた.このシミュレーション・フレームワークを用いて作成された疑似データはオブジェクトデータベース(Objectivity)を介してデータ解析フレームワークに渡せる設計とした,これによりシミュレーションによる疑似データを生データと見立て,データ解析を行う一連のデータ処理解析システムを完成させた.
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