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2003 年度 実績報告書

北極域における中層大気・熱圏の力学的結合

研究課題

研究課題/領域番号 11208205
研究機関国立極地研究所

研究代表者

麻生 武彦  国立極地研究所, 北極圏環境研究センター, 教授 (10026255)

研究分担者 佐藤 夏雄  国立極地研究所, 情報科学センター, 教授 (50132709)
岡野 章一  東北大学, 理学研究科, 教授 (10004483)
江尻 全機  国立極地研究所, 研究系, 教授 (30013692)
三好 勉信  九州大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20243884)
前田 佐和子  京都女子大学, 現代社会学部, 教授 (00199613)
キーワードEISCATレーダー / 大気光・オーロラ光学観測 / 流星レーダー / 大気潮汐波・重力波 / 中層大気 / 電磁圏ダイナミックス / オーロラ大気光トモグラフィ / 数値モデリング
研究概要

本年度はオーロラ帯のトロムソに流星レーダーシステムをあらたに設置し同所のEISCATレーダー、MFレーダーとの詳細な比較による研究が可能となった。また同時にデータ収集・アーカイブシステムの整備を行い、北極超高層観測データの集積による総合解析の資源とした。個々のテーマの成果は以下の通りである。
(1)EISCATレーダー:下部熱圏における大気潮汐波、準2日波について調べるため、2003年11月に8日間のEISCATによるキャンペーン観測を実施し、データ解析を行った。またGeotailが通過する時刻に合わせ、トロムソのEISCATヒーターを用いて電離圏を加熱し、得られる強いエコー観測から、周期の異なる地磁気脈動が伝播機構を全く異にすることを確認しその機構を提唱した。
(2)流星レーダー:トロムソに流星レーダーを新設し、EISCATレーダーとの比較観測がなされた。また従来からのスバルバール流星レーダーがほぼ3年連続観測で大気潮汐波のクライマトロジーを明らかにしつつある。
(3)HFレーダー:SuperDARN HFレーダーの時系列解析手法による流星風観測に関し、オーバーサンプリングや干渉計観測手法等を用い、観測高度の精度を向上させる試みを行い、成功した。又、この時系列観測手法の熱圏観測への応用についても考察を行った。
(4)オーロラ大気光スペクロトグラフ:オーロラスペクトログラフ(ASG)とEISCATスバルバールレーダーデータを用いて、EISCATで顕著なイオン上昇流が観測された2001年12月のイベント解析を行い、低エネルギー電子の振り込みによる電子温度上昇が電子ガスの両極性拡散をもたらし、このために生じた電場がイオンを上向きに駆動したものとの極域電離圏でのイオン上昇流生成についてひとつの説明がなされた。2003年度の全天スペクトログラフを用いたオーロラ酸素イオン発光の分光観測は、極域電離圏からのイオン上昇のメカニズム解明を目的としたSERSIO(Svalbard EISCAT Rocket Study of Ion Outflows)ロケット観測キャンペーンに対応した地上観測として実施された。ロケットは2004年1月22日08時57分00秒(世界時)に打ち上げられた。このとき酸素イオンオーロラの増光も認められ、分光観測データはEISCATデータと合わせて現在解析が進められてる。
(5)多色光でのALIS光学観測とEISCATヒーティング、EISCATレーダーの同時観測データと理論モデルから、励起発光に関与する電子エネルギーのテールにおける分布の推定を行った。
(6)(1)〜(3)で得られた大気ダイナミックス観測データと数値モデリングの比較検討が継続された。対流圏から熱圏上端までを含む大気大循環モデルを用いて、中層大気・熱圏における潮汐波について研究を行った。特に、超高層大気における潮汐波の日々変動と下層大気における日々変動との関連性に注目し解析を行った。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Hall, C.M., T.Aso, A.H.Manson, C.E.Meek, S.Nozawa, M.Tsutsumi: "High latitude mesopheric mean winds : A comparison between Tromsoe(69N) and Svalbard(78N)"J.Geophys.Res.. 108(D19). ACL 6-1-ACL 6-12 (2003)

  • [文献書誌] Milan, S.E., M.Lester, N.Sato: "Multi-frequency observations of E region HF radar aurora"Ann.Geophysicae. 21. 761-777 (2003)

  • [文献書誌] Nozawa, S., H.Iwahashi, A.Brekke, C.M.Hall, C.Meek, A.Manson, S.Oyama, Y.Murayama, R.Fujii: "The quasi 2-day wave observed in the polar mesosphere : Comparison of the characteristics observed at Tromso and Poker Flat"J.Geophys.Res.. 108(D24). ACL 1-1-ACL 1-10 (2003)

  • [文献書誌] Miyoshi, Y., H.Fujiwara: "Day-to-day variations of migrating diurnal tide simulated by a GCM from the ground surface to the exobase"Geophys.Res.Lett.. 30(15). ASC 3-1-ASC 3-4 (2003)

  • [文献書誌] Okano, S., N.Koizumi, T.Sakanoi, T.Aso: "Observation of auroral OII emission with an all-sky spectrograph at Longyearbyen"Proc 30^<th> Annual European Meeting on Atmospheric Studies by Optical Methods. 14-18 (2003)

  • [文献書誌] Oyama, S., S.Nozawa, S.Maeda, Y.Murayama, R.Fujii, H.Shinagawa: "Field-aligned ion motions in the polar E-F transition region : Mean characteristics"J.Geophys.Res.. 108(A8). 1334-1343 (2003)

  • [文献書誌] Wu, Q., T.K.Kileen, S.Nozawa, D.McEwen, W.Guo, S.C.Solomon: "Observations ofmesospheric neutral wind 12-hour wave in the Northern Polar Cap"J.Atm.Sol-Terr.Phys.. 65. 971-978 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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