研究概要 |
都市域に甚大な被害を及ぼす内陸地震,プレート間地震及びプレート内地震から生成される地震動特性の系統的把握を目的として,それぞれの地震群における不均質震源過程の特性化及び伝播経路・地盤構造の地震動への影響評価について観測的及び理論的研究の実施が本研究の目的である.今年度においては以下の研究が進められた. 強震動データ,地下構造情報の収集とデータベース化:平成11年度に引き続き,最近の大地震の地震動データ,地下構造データの収集と整理を行った.特にノースリッジ地震の震源域の地震動特性を精査するために微動アレイによるS波地下構造探査を米国側研究者と共同で実施した. 震源の特性化に関する研究:精度良い強震動予測のためには,震源断層モデルを予め尤もらしく規定できることが重要である.従って既往の震源モデルのコンパイルと広い周波数帯域からみた震源モデルの特性化を行う.このため,1999年に起きた巨大地震である台湾及びトルコの地震の震源過程を,強震記録から推定した.その情報をもとに特性化震源モデルの構築と,強震動のフォワードモデリングによる震源モデルの構築を行った.特性化震源モデルのパラメターの地震規模依存性は,既往の研究から得られている経験式によくあてはまることがわかった.また加速度記録エンベロープインバージョンによる高周波地震波生成領域を推定し,波形インバージョンによるすべりモデルとの比較から,広帯域の地震動を評価する場合の震源のモデル化についての検討を行った. ワークショップ:2000年7月に米国側研究者とワークショップを開き,研究成果と共同研究の方針について議論を行った.ワークショップにおける研究成果は報告書としてとりまとめられた.
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