研究概要 |
1.液状化地盤の側方流動に関し,模型地盤(流動方向長さ5.0m,幅1.0m,地盤厚1.8m)を用いた流動実験をカルフォルニア大学サンディエゴ校と共同で実施し,液状化土の流動特性を明らかにした. 2.上記の模型実験による結果と,既存の国内の実験的研究成果(重力場と遠心載荷場での模型実地盤の流動実験および液状化上の中空ねじり試験)を統合することにより,液状化土の側方流動のメカニズムを明らかにした.このメカニズムにもとづいて地表面変位を推定する予測式を提案した.予測式による予測値は良好な精度で既往地震における観測事例を説明した. 3.液状化土の側方流動が杭基礎に与える外力の特性に関し,カルフォルニア大学サンディエゴ校と共同実験を行った.この結果,地盤の流動中に杭に地盤の変位にもとづく外力(弾性力)と速度に起因した外力(粘性力)の双方が作用していることが示された.これら二つの外力の大きさは地盤の過剰間隙水圧の大きさに大きく依存していることが明らかとなった. 4.地中コンクリート構造物の大変形領域から破壊過程までをシミュレートする解析プログラムを作成した.実物大のコンクリートダクトの破壊実験結果と解析結果を比較することになり,解析精度が良好であることを確認した.
|