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2001 年度 実績報告書

都市地震災害過程のモデル化と総合的な損失の定量化

研究課題

研究課題/領域番号 11209209
研究機関京都大学

研究代表者

河田 惠昭  京都大学, 防災研究所, 教授 (10027295)

研究分担者 宮野 道雄  大阪市立大学, 大学院・生活科学研究科, 教授 (00183640)
田中 哮義  京都大学, 防災研究所, 教授 (70293959)
キーワード危機管理 / 減災 / 自然災害 / 防災 / 情報工学 / 生活再建 / 都市災害 / 社会的価値の損失
研究概要

自然災害、交通事故、疾病などに起因する大規模な人命の損失がもたらす社会的価値の損失を、平均寿命と一人あたり実質GRPとの関係を用いて評価する手法を構築した。本手法を阪神・淡路大震災に適用した結果、震災が兵庫県にもたらした初年度における人的被害に伴う社会的価値の損失は、1人当たり約316.9千円、県全体では約1.62兆円と推定された。また、日本全国では一人当たり14千円、国全体で1.62兆円と推定された。したがって、ストック対策が重要であることを提言した。本手法を9種類の主要疾病群に適用した結果、それぞれの死因が1995年に兵庫県および日本全国にもたらした社会的価値の損失は、いずれも悪性新生物(ガン)、脳血管疾患、心疾患の順に大きいという結果が得られた。とくに、悪性新生物がもたらす人命の損失に伴う社会的価値の損失は大きく、兵庫県で1.45兆円、日本全国で386.88兆円にも達することが推定された。本手法は、大規模な人命の損失に伴う社会的価値の損失を推定するとともに、その社会的インパクトの空間的な偏り(分布)を定量的に捉えることが可能であることを示唆した。一方、被災地の復興の進捗状況は、家計指標や各種社会指標の相関性解析から、前者では被災者の家計支出が未だ震災前より増加しており、復興には至っていないこと、また後者においても、住まいやつながりの課題が残っており、やはり復興していないことが見いだされた。各種ヒアリング調査、パネル調査などからも、被災者の生活実感においても、阪神地区では震災前より生活が苦しくなったと主張する割合が過半数越えており、これらの結果を総合すれば、復興が未だ達成していないと結論された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 河田惠昭: "巨大災害の様相とその対応対策の考え方"地学雑誌. Vo.110 No.6. 924-930 (2001)

  • [文献書誌] Kawata, Y.: "Acceptable risk and loss reduction of natural disasters in the Asian region"Proceedings of the 2^<nd> Civil engineering Conference in The Asian region, ACECC. 195-205 (2001)

  • [文献書誌] 中尾美穂, 田中哮義: "都市火災避難時における危険度の推定手法に関する研究"日本火災学会平成13年度研究発表概要集. 292-295 (2001)

  • [文献書誌] 樋本圭佑, 田中哮義: "市街地火災延焼予測のための複数室建物延焼モデルの研究"日本火災学会平成13年度研究発表概要集. 112-115 (2001)

  • [文献書誌] 住吉ゆう子, 宮野道雄: "日常生活事故による人的被害の性差に関する研究-日本とイギリスとの比較-"日本建築学会計画系論文集. No.549. 117-121 (2001)

  • [文献書誌] 生田英輔, 宮野道雄, 糸井川栄一, 熊谷良雄: "兵庫県南部地震による死亡と重傷の発生機構の比較"日本建築学会大会講演概要集. 417-418 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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