研究課題
特定領域研究(B)
大型ヘリカル装置(LHD)における高エネルギー粒子を、プリンストンプラズマ物理研究所(PPPL)の TFTR 装置で使用されていた電場磁場平行型(E//B型)中性粒子分析器(NPA)を用いて検出し、その減速過程を調べる課題に対しては、国際協力により、 PPL において整備・再較正した E//B 型 NPA を核融合研へ輸送した。並行して、 NPA を LHD へ取付けるための検討・設計を詳細に行い、水平方向に走査できる支持架台を製作し、輸送された NPA を LHD の接線ポートに取り付けた。同時に、計測・制御系の整備、データ処理システムの構築を行った。これにより、平成12年度から測定を開始することができる。一方、 Si 半導体型 NPA を開発して、高エネルギー粒子の振る舞いを調べる課題に関しては、電子冷却と液体窒素冷却を利用した検出器をそれぞれ試作した。電子冷却検出器は小型ヘリカル装置 CHS で試験的な測定を行い、20keV 程度のエネルギーの粒子検出を行うことに成功し、 LHD での計測の見通しが立った。液体窒素冷却検出器はオークリッジ国立研究所(ORNL)において開発され、並行して、液体窒素冷却測定チャンバーを設計・製作し、LHD の計測ポートに取り付けた。また、ロシアとの共同研究により、ダイヤモンド型検出器を用いて、ICRF により加熱された高エネルギー粒子の測定を LHD において行い、Si 半導体型 NPA との比較を行うためのデータを取得した。この測定により、ICRF 過熱された粒子の高エネルギーテールを確認し、磁場に垂直方向に加速された高エネルギー粒子の閉じ込めを調べることが可能となった。
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