研究課題/領域番号 |
11210204
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
佐野 史道 京都大学, エネルギー理工学研究所, 教授 (70115856)
|
研究分担者 |
若谷 誠宏 京都大学, エネルギー科学研究所, 教授 (00109357)
近藤 克己 京都大学, エネルギー科学研究所, 教授 (30026314)
大引 得弘 京都大学, エネルギー理工学研究所, 教授 (60026060)
水内 亨 京都大学, エネルギー理工学研究所, 助教授 (20135619)
花谷 清 京都大学, エネルギー理工学研究所, 助教授 (00115916)
|
キーワード | ヘリカル軸ヘリオトロン / ヘリオトロンJ / ステラレータ / 磁場配位最適化 / 閉じ込め / プラズマ / 核融合 / エネルギー |
研究概要 |
本格的なヘリオトロンJ実験が平成12年7月より開始された。まず、プラズマ実験に先立って、真空磁気面測定が、直流300Gの低磁場のもとで行われた。標準配位における実験結果と計算結果の比較から、地磁気及び測定された装置周辺の残留磁場(非誘導性と仮定)の影響を考慮にいれて、実験結果と計算結果は測定誤差の範囲内で良く一致することが分かった。 つぎに、第2高調波53.2GHz,400kW ECHによる無電流プラズマの生成実験を行った。このとき、効果的な第2高調波ECH加熱が実現できる磁場強度帯は、プラズマ閉じ込め直線部に共鳴層が存在できる磁場強度帯にほぼ一致した。反磁性ループによって測定されたプラズマ内部エネルギーの実験結果は、本実験期間中において密度制御が最適化されてはいないものの、Wp<0.7kJ及び体積平均ベータ値として約0.2%が得られた。真空紫外(VUV)分光によると、酸素、炭素等の軽不純物以外に、鉄、チタン等の金属不純物の存在が認められた。ただし、ボロメータによる放射損失の割合は20%以下である。測定されたVUVスペクトラムからは、300-400eVの電子温度が期待され、現在、精確な電子温度測定のためのトムソン散乱装置の調整が進められている。またECHプラズマに対するSOL領域の電子温度、電子密度、浮遊電位の挙動が詳しく調べられた。今後、装置運転の経験を蓄積し、実験条件の最適化を図って、プラズマ性能の向上を目指した実験を進めていく予定である。 以上のように初期プラズマ生成の実験結果は、低シア磁気面をもつヘリオトロンJにおいて、磁場強度1Tにおいて、200-300kWの第2高調波ECHを用い、ヘリカル磁場配位の最適化についての詳細なプラズマ閉じ込め研究が可能な高温プラズマが形成できること確認した。
|