研究課題/領域番号 |
11210204
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
佐野 史道 京都大学, エネルギー理工学研究所, 教授 (70115856)
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研究分担者 |
花谷 清 京都大学, エネルギー理工学研究所, 助教授 (00115916)
近藤 克己 京都大学, エネルギー科学研究所, 教授 (30026314)
大引 得弘 京都大学, エネルギー理工学研究所, 教授 (60026060)
長崎 百伸 京都大学, エネルギー理工学研究所, 助教授 (20237506)
水内 亨 京都大学, エネルギー理工学研究所, 助教授 (20135619)
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キーワード | ヘリカル軸ヘリオトロン / ヘリオトロンJ / ステラレータ / 磁場配位最適化 / 閉じ込め / プラズマ / 核融合 / エネルギー |
研究概要 |
平成14年度のヘリオトロンJ実験の主要テーマは、ECH実験による(1)電子の閉じ込め性能の国際ステラレータ比例則(ISS95比例則)との比較、(2)プラズマ電流の磁場配位制御性およびECH入射角制御性の検証、(3)H-mode遷移の物理解明の3つであった。ECH加熱システムとしては、70GHzのジャイラトロン管を用い、入射電力400kW、収束ガウシアン・ビーム(磁気軸位置の半径20mm)、光学ミラー系の調節によりトロイダル方向、ポロイダル方向に入射角が可変となっている。中程度の密度領域から高密度領域(0.5x10^<19>m^<-3>-2x10^<19>m^<-3>)にかけてのグローバルなエネルギー閉じ込め時間は、ECH磁気軸中心加熱運転において、顕著にISS95比例則を凌駕する放電(ISS95比例則の約2倍)が存在することがわかった。一方、垂直入射ECH実験のトロイダル・プラズマ電流の磁場配位依存性(内側垂直磁場スキャン)から、計測電流値と新古典ブートストラップ電流の計算値との比較的良好な一致が認められた。また、ECH入射角の変更に伴う低密皮領域および高密度領域の計測電流値の傾向が、電子サイクロトロン波電流駆動(ECCD)の理論的予測とも良い傾向の一致が認められた。プラズマの閉じ込め改善の研究においては、実験的に「改善モード」を実現することがポイントとなるが、本年度、H-mode遷移の放電を実現した。遷移後、顕著なHα信号の低下、周辺揺動の低下、ダイバータ粒子束の低下と、連続的に増加する平均電子密度、反磁性ループによる内部エネルギーの上昇が認められた。10-20ms後に逆遷移が発生し、その後放射崩壊により放電は終了する。平成15年度はNBI/ICRF実験を開始し、引き続き閉じ込め改善に注目した高ベータ領域のプラズマ特性の同定を推進する予定である。
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