ダイバータの最適化

1999 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 11210205
• 研究種目: 特定領域研究(B)
• 研究機関: 核融合科学研究所
• 研究代表者: 大藪 修義 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 教授 (60203949)
• 研究分担者: 増崎 貴 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (80280593) ; 鈴木 肇 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (20260044) ; 中村 幸男 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 教授 (40136560)
• キーワード: ダイバータ / 水素排気装置 / メンブレイン / ヘリカルダイバータ / 熱・粒子輸送

研究概要

定常核融合炉におけるダイバータ最適化を目指して、1.高効率の水素排気装置開発、及び、2.原理的に定常運転が容易なヘリオトロン/トルサトロン型装置におけるダイバータ特性研究、の2本柱で研究を進めている。
1. 高効率水素排気装置の開発
ダイバータにおける粒子制御を目的として、超透過現象を利用した高効率水素排気装置(メンブレインポンプ)の開発を、サンクトペテルブルグ通信国立大学(ロシア)と共同で進めている。今年度は、実機におけるダイバータ部で予想される、メンブレイン表面への炭素不純物堆積が超透過現象に与える影響について研究を行った。その結果、不純物体堆積はメンブレインの性能を低下させるが、メンブレインの温度をすう百度にあげることでそれを回避できることが分かった。また、水素原子による物理及び化学スパッタリングによる不純物の生成と脱離過程がどのように相互作用しているのかを明らかにした。他の不純物(ボロン等)堆積による影響については今後明らかにしていく。
2. ヘリオトロン/トルサトロン型装置におけるダイバータ特性の研究
ヘリオトロン/トルサトロン型装置におけるダイバータ物理の理解を目的として、核融合科学研究所の大型ヘリカル装置(LHD)、及びハリコフ物理工業研究所(ウクライナ)のURAGAN-3M装置においてダイバータプラズマ計測を行っている。LHDでは、複数箇所に静電プローブアレイを設置することで、ヘリカルダイバータの3次元構造が明らかになった。また、ダイバータプラズマの電子密度・温度計測により、ダイバータプラズマと主プラズマの相関が明らかになりつつある。周辺プラズマからダイバータへ至る熱・粒子輸送過程の解明が今後の課題である。URAGAN-3Mでは、静電プローブアレイ、分光計測を通したダイバータ計測が開始されつつある。

研究成果

• [文献書誌] N. Ohyabu, et al.: "Edge thermal transport barrier in LHD discharges"Physical Review LETTERS. 84・1. 103-106 (2000)
• [文献書誌] N. Ohyabu, et al.: "Thermal transport barrier in heliotron-type devices (Large Helical Device and Compact Helical System)"Pysics of Plasma. (to be published).
• [文献書誌] N. Ohyabu, et al.: "Active Control of Hydrogen Recycling by the Permeation and Absorption Techniques"Proc. of International Workshop on Hydrogen Recycling at Plasma Facing Materials. (to be published).
• [文献書誌] Y. Nakamura, et al.: "Deuterium pumping experiment with superpermeable Nb membrane in JFT-2M tokamak"Journal of Nuclear Materials. 278・. 321-319 (2000)
• [文献書誌] Y. Nakamura, et al.: "Development of Divertor Pumping System with Superpermeable Membrane"Fusion Engineering and Design. (to be published).
• [文献書誌] Y. Nakamura, et al.: "Membrane Bias Effects on Plasma Driven Permeation of Hydrogen through Niobium Membrane"Proc. of International Workshop on Hydrogen Recycling at Plasma Facing Materials. (to be published).