研究概要 |
(1)接触・非接触プラズマ中の揺動と非局所輸送現象の解明 ダイバータ・プラズマ模擬試験装置NAGDIS-IIにおいて観測されたイオン飽和電流揺動の解析を行い、プラズマ周辺領域では磁力線を横切る方向への小さなプラズマ塊(Blob)の非拡散的輸送に起因するバースト的揺動が存在することが明らかになった。また異なる径方向位置で同時計測されたイオン飽和電流をウェーブレット変換-逆変換を用いて解析を行い、密度バースト群の径方向伝搬速度分布が求められた。プラズマ中心部では多くのバーストが負(プラズマ中心への向かう方向)の速度を持つことが明らかになった。また一方、周辺領域では正に大きな速度を持つ密度バーストが観測された。密度バーストの平均速度は,中心部では負の値を取り,径方向位置10-15mm位置で大きな正の速度(800m/s)を取ることが明らかになった。さらに,高速度カメラを用いた接触・非接触プラズマの動的挙動の観測し,Blobが径方向に伝搬する様子が観測された。 (2)エルゴディックダイバータ(DED)印加時の静電揺動及び摂動磁場計測 回転摂動板場のトカマクプラズマ中への浸透・伝搬過程をアルヤフベン共鳴の寄与という観点から調べた。円柱近似のアルフベン波伝搬・吸収解析より,アルフベン共鳴によりモード変換が発生と強い波動電場の形成も明らかになった。実験的には,回転摂動磁場印加時に半径方向に2つの静電揺動のピークが初めて観測された。しかし,磁気島形成による寄与を分離して考えることができないためアルフベン共鳴の寄与による揺動であるという結論は得られていない。今後,共鳴面とアルフベン共鳴面が離れた条件(高密度プラズマ,放電ガス種の変更)における,実験が必要である。
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