研究概要 |
#電子-イオン再結合過程による非接触プラズマ発生と分光データ解析 非接触プラズマ中の可視発光スペクトルデータを,衝突輻射コードSOPHIAを用いて解析を行った。接触・非接触再結合プラズマ中のHe原子からの発光に与える輸送と一重項-三重項遷移の効果について調べ,ヘリウム原子の輸送(拡散)を考えなければシングレットとトリプレット間の遷移を考えるのと考えないのとで10%程度の差しかないが,輸送を考えると4倍ほどの差が現れることが明らかになった。 #非接触プラズマ中の揺動と非局所的輸送過程の解明 接触・非接触プラズマ中のイオン飽和電流の揺動の性質を,確率密度関数(probability distribution function : pdf),Wavelet解析を用いて明らかにした。 Wavelet変換・逆変換を用いる方法により、スケール毎の相互相関関数からバースト信号の速度分布関数を算出した。接触状態では中心付近で揺動中に見られる負のバースト信号はプラズマ内向きに進む速度を持つことがわかった。外側では正バースト信号が支配的であり、外向きの速度を持つことがわかった。2次ガス流入により非接触状態になるに従って中心で認めれた負のバースト信号は正バースト信号に取って代わられ、平均速度は内向きから外向きに変わることが明らかになった。 #動的エルゴディックダイバータ(DED)に伴う揺動・輸送への効果の解明 多ピン・プローブを用いて時系列データの統計的解析からプラズマのDEDに対する微視的応答を求める実験を行った。特に,密度揺動に注目するため,各探針のイオン飽和電流の相関を見た.Wavelet解析は間欠性を持つプラズマ乱流のような種々の特徴的時間スケールを持った現象に適しているため,Wavelet解析を用いて解析を行った。DEDに特徴的なウェーブレット・スケール(DEDにおける外部駆動回転ヘリカル磁場の周波数が5kHzであるので、スケールは200μs)において、間欠的密度乱流が認められ、DEDの回転の向きと同じ方向に伝搬していることが明らかになった。一種のカオス制御に通ずる内容ではないかと考えられる。
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