研究課題
特定領域研究
熱・粒子輸送の局所計測を行うために高性能トレーサー内蔵計測ペレット生成・射出装置の開発を行った。原理はトレーサー内蔵計測ペレットをプラズマ中に入射するとまず外層部がプラズマ中で溶発し、その後内層部がプラズマ中に局所的に供給されることを用いている。常温型では外層部を炭素と水素からなるポリスチレンとして、内層部のトレーサーにはチタンやフッ素などを用いる。これは常温なので取り扱いが容易であるが、外層部からバルクプラズマ中に炭素を持ち込んでしまうので、スペクトル計測の邪魔をする場合がある。そこで、炭素を持ち込まないように外層部が純水素(またはその同位体)である高性能トレーサー内蔵極低温ペレット(Tracer Encapsulated Cryogenic PELlet : TECPEL)生成・射出装置を開発した。He冷凍機内蔵型TECPEL生成装置の開発を行い原理検証実験に成功した。TECPELの生成過程をリアルタイムで観測するとともに、TECPELの射出後の映像をとらえて、トレーサーの存在を確認し、速さも約1km/sであることを観測できた。TECPELの生成過程はトレーサーを移送する中空細線の位置制御や温度やガスの制御など多くのステップを経るものであるが、これらを最適化し全てをコンピュータによる自動制御とした。これらを受けて、遠隔操作を含めた基礎テストにも平成16年度内に成功した。これをまとめて査読付き学術誌に論文投稿して掲載された。平成17年度にTECPELをLHDに設置する作業を実際に進めており、実機に適用できるまでに開発に成功したので本計画の目的は達成された。
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