研究課題/領域番号 |
11210209
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研究機関 | 核融合科学研究所 |
研究代表者 |
三戸 利行 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 教授 (10166069)
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研究分担者 |
今川 信作 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助教授 (10232604)
山田 修一 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助教授 (50249968)
西村 新 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 教授 (60156099)
柳 長門 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助教授 (70230258)
高畑 一也 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助教授 (10216773)
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キーワード | 高温超伝導 / 電流リード / 核融合 / 超伝導コイル / Bi2212 / Bi2223 / HTS / 国際研究者交流 |
研究概要 |
超伝導工学は、核融合炉実現に必要不可欠な要素技術として重要視されており、総合的かつ系統的な開発研究が必要とされている。本研究は、核融合実験装置への超伝導実応用研究の推進により、先駆的な研究開発の役割を果たすと共に、幅広い分野への超伝導応用工学の発展を期待するものである。高温超伝導体の核融合実験装置への応用を考えた場合、最も実用化に近いのは電流リードへの応用であり、本研究は、超伝導応用の観点から重要であると同時に、核融合炉工学的発展の意味からも必要不可欠な研究であると考えられる。 Bi2223金銀合金テープ線材を用いたHTS電流リードを大電流容量化する場合、複数のテープを積層したHTSユニットを多数配置する必要があり、電流分布を均一にすることが困難であると言う本質的な問題を持っている。一方、拡散法で形成されるBi2212バルク材は、大容量導体の一体成型が可能であり、Bi2223金銀合金シース材に代わるHTS電流リードの候補材料として有望である。拡散法により、セラミック基材の両表面に約150μmのBi2212層が形成される。外/内径20/16mm、長さ55mmの小型サンプルの大電流通電実験を行い、液体ヘリウム中で6.25kAの通電に成功した。次に、外/内径28/20mm、長さ200mmの大型サンプルの製作及び通電実験を行い、サンプル大型化に成功した。 平成14年度は、更に、機械的な補強や高温超伝導が常伝導転移した場合の保護回路等を設けることにより、理想的な電流リード材料を構成することを目標として研究を行った。拡散法によるBi2212ロッドの大型化及び機械的強度の補強を行い、アルミナ繊維FRPで補強した大型サンプルの冷却通電実験に成功した。 現在は、Bi2212ロッドを用いたkA級高温超伝導電流リードのプロトタイプの設計検討及び行っている。プロトタイプの開発に際しては、定常状態での温度分布及び熱侵入量等の解析に加え、常伝導電圧発生時などの異常時の過渡応答シミュレーションを行い、設計の最適化及び実験の効率化を図っている。また、同シミュレーション・プログラムの構築に際しては、ドイツ・カールスルーエ研究所の協力及び基本プログラムの提供により、開発時間の大幅な短縮・効率化を図った。
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