研究課題
核融合科学研究所の大型ヘリカル装置(LHD)の高度な運転や広範囲の実験への柔軟な対応のためには、超伝導・低温システム特性の詳細な把握が必要である。LHDと欧州連合(EU)で開発された超伝導システムの特性比較等を日本及びEUの両極で行い、将来の高磁場化への対応のために、ドイツ・カールスルーエ研究所(FZK)で開発された20kA級高温超伝導(HTS)電流リードの冷却通電実験を、核融合科学研究所の大型超伝導実験設備を用いて国際共同研究として行った。その結果、安定な定格通電に成功すると共に、1時間以上に渡る通電実験を繰り返し行って信頼性及び再現性を確認した。一方、東海大学で開発された拡散法で形成される高温超伝導バルク体の大電流通電実験と性能改善および機械強度補強のための開発研究を行い、中型サンプルで8kAの通電に成功した。同高温超伝導材料を用い、ドイツ・カールスルーエ研究所(FZK)により開発された、電流リード最適計算プログラムCURLEADを基本とし、高温超伝導電流リードの最適化形状の検討と熱計算を行った。これらの結果を基に、熱侵入、臨界電流や機械強度を考慮した2kA級の拡散法HTSを用いた電流リードプロトタイプの設計・製作を行い、安定な通電に成功すると共に、従来タイプの常伝導電流リードに比較して熱侵入量を1/4に低減することに成功した。こられの成果に基づき、次世代の核融合実験装置用超伝導システムのための基盤研究を行い、システム設計のための設計指針を得ることに成功した。
すべて 2004
すべて 雑誌論文 (2件)
IEEE Transaction on Applied Superconductivity Vol.13, No.2
ページ: 2686-2689
ページ: 2638-2641