研究課題/領域番号 |
11211101
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研究機関 | 高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
新井 正敏 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 教授 (30175955)
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研究分担者 |
神木 正史 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (30004451)
那須 奎一郎 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 教授 (90114595)
池田 進 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 教授 (80132679)
藤井 保彦 東京大学, 物性研究所, 教授 (00013524)
遠藤 康夫 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (00013483)
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キーワード | パルス中性子 / 局所構造 / ダイナミックス / 動的構造 / MAPS分光器 / 日英協力 |
研究概要 |
本日英協力事業で進めてきたMAPS分光器の建設は平成12年度に終了し、その後約一年間の試運転を行った。そして、平成13年度6月より本格的な研究に入った。また、MAPS分光器以外の既存の分光器を適宜使用して研究を進めた。本領域の研究は多岐にわたっているので、ここでは、行った研究の内一部についての概略を列挙するにとどめる。「酸化物超伝導体YBa2CuO3のスピン非整合磁気励起の研究」では、超伝導機構に関わる磁気相互作用を反映して、非整合磁気励起とレゾナンス・ピークの観測を行った。「酸化物超伝導体YBa2CuO3のフォノンに異常の研究」では、フォノンのB2gモードのTOモードとLOモードにエネルギーの逆転があることがわかり、オーバースクリーニングが想像以上に強いことが判明した。「MgB2のフォノン異常の研究」では、フォノン状態密度に関して詳細な情報を得ることができ、その超伝導機構との関連を研究した。「非晶質のフォノンの分散関係の研究」では、非晶質のフォノンダイナミックスに分散関係に似たダイナミックスが発見され、大きな波紋を与えることが出来た。「Ni-Zr金属ガラスにおける動的秩序構造の解明」の研究では、結晶相の原子振動モードの解析から、金属ガラスにおける構造を極めて定量的に議論できることを初めて示した。「半導体一金属転移に於ける液体テルルーセレン合金の鎖間相互作用」の研究では、金属化領域で長短2種類の共有結合の繋ぎ変わりが起きていることを観測した。「メタンハイドレートの動的構造因子の研究」では、メタンハイドレート中のメタン分子が自由に回転運動して存在していることを確認した。「中性子反射率測定による分子構造の異なるブロック共重合体の相分離界面の研究」では、同じ成分から成るが分子構造が異なるブロック共重合体のミクロ相分離界面は分子構造の違いによらずほぼ同じ厚みを有することを明らかにした。
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