研究課題/領域番号 |
11212201
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研究種目 |
特定領域研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
三浦 登 東京大学, 物性研究所, 教授 (70010949)
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研究分担者 |
榊 裕之 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (90013226)
荒川 泰彦 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (30134638)
安藤 恒也 東京大学, 物性研究所, 教授 (90011725)
長田 俊人 東京大学, 物性研究所, 助教授 (00192526)
平川 一彦 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (10183097)
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キーワード | 半導体 / ナノ構造 / 量子光物性 / 量子ドット / 量子細線 / 量子井戸 / 強磁場 / 量子現象 |
研究概要 |
本年度は本主題について、各班員の研究グループで活発な研究活動が行われた。主な研究成果は下記の通りである。 ・アンチドット格子の輸送現象に現れる量子効果、特に周期軌道の半古典量子化に伴うアハラノフーボーム振動、アンダーソン局在の量子振動などについて理論的な研究から、量子ホール系におけるサイクロトロン共鳴と発光スペクトルに対する電子間相互作用の効果を明らかにした。 ・新しい天然の量子細線として注目されているカーボンナノチューブの輸送現象の理論的研究を行い、新しい知見を得た。 ・InAs/AlSb量子井戸の超強磁場中のサイクロトロン共鳴のスピン分裂において、比較的遅いスピン緩和に基づく、緩和現象が吸収スペクトルの磁場掃引時間依存性として観測された。また電子間相互作用に基づく吸収強度の異常も観測された。 ・強磁場中の量子ドットを用いてサブミリ波の単一光子検出に成功した。検出感度が従来の最良値の一万倍以上に達するので、今後検出器として幅広い応用が期待できる。 ・Si単結晶基板上へのGeドット形成に関して共同研究において、ガスソースMBEの成長特性を詳細に調べることから、ドット寸法が小さく、かつ結晶性も良好である成長条件を見い出すことが出来、ドットからの発光も観測した。 ・InAs量子ドット中に1つの束縛準位のみが形成されるような極微量子ドットを用いて、bound-to-continuum型サブバンド間遷移により励起された電子が高移動度ヘテロ界面に沿って伝導する横方向伝導型赤外検出器を試作し、2.3A/Wという従来の量子井戸検出器の約十倍の大きな感度と液体窒素温度以上の高い動作温度を確認した。 ・GaAs/AlGaAs半導体超格子について、多層量子ホール系端面に形成されるカイラル表面状態(各層のエッジ状態が層間結合したもの)が示す層間の表面伝導が、温度・磁場空間で整数量子ホール領域の境界付近で著しい増大することを見出した。
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