研究分担者 |
冷水 佐寿 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (50201728)
蒲生 健次 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (70029445)
中島 尚男 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (20198071)
家 泰弘 東京大学, 物性研究所, 教授 (30125984)
古屋 一仁 東京工業大学, 工学部, 教授 (40092572)
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研究概要 |
外部磁場・外部電場下におかれたGaAs/AlGaAs超格子構造の垂直伝導度が,極低温では,強磁場のもとでクエンチする現象に関して,その温度依存性に対する理論的な考察を行った.ミニバンドランダウ準位が光学フォノンを介してオーバラップする磁場領域ではクエンチした伝導度の温度上昇に伴う回復が見られた.しかし,観測されたような広い磁場範囲におけるクエンチした伝導度の回復現象は得られなかった. 低温における多層量子ホール系の垂直伝導に顕著な非線形性を見出し,カイラル表面伝導が層に平行な磁場によって大きく抑えられることを見出した.変調ポテンシャル下の2次元電子系の磁気量子振動の振幅に対する散乱緩和時間の効果を定量的に明らかにした.短周期変調ポテンシャル下の2次元電子系の量子ホール領域の伝導を調べ,ν=3/2近傍の複合フェルミオンの幾何学共鳴効果を観測した.またν=9/2付近に特徴的な構造を見出し,ストライプ相との関係を議論した. 半導体中のホットエレクトロン波のコヒーレンスをダブルバリア共鳴トンネルダイオードを用いて推定する方法を新たに提案した.位相相関を考慮した理論電流電圧特性のピークの1/10000程度の電流レベルで実験データをフィッティングしコヒーレンス長500nmと推定した.半導体中での位相コヒーレンスを利用し,タングステン細線バイプリズムによる干渉縞観測を目ざし,これに用いるダブルバリア共鳴構造の設計法を確立し新たなコヒーレントホットエレクトロンエミッタとして提案した. 選択ドープを目的として,GaAsおよびAlGaAs量子細線の顕微フォトルミネセンスを測定し,AlGaAs量子細線がより一次元性に優れているとの結果を得た.ルミネセンス測定孔を持つマスクを通して電子線を照射し,電子・正孔を励起し,励起子の細線中の拡散の様子を調べ,その異方性を確認した. 非対称環境インピーダンスのために単電子トランジスタのアイライドに電荷が蓄積される様子を,自己無童着な数値計算によって求めた.また,アイランド電荷の揺らぎに注目した計算もおこない,クーロンステアケースに伴って,アイランド電荷の揺らぎがどのように振舞うのかを明らかにした.
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