研究課題/領域番号 |
11213206
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
占部 城太郎 京都大学, 生態学研究センター, 助教授 (50250163)
|
研究分担者 |
中野 伸一 愛媛大学, 農学部, 助教授 (50270723)
杉山 雅人 京都大学, 総合人間学部, 助教授 (10179179)
中西 正己 京都大学, 生態学研究センター, 教授 (60025434)
|
キーワード | 琵琶湖 / 動物プランクトン / 植物プランクトン / バクテリア / DOC / 物質循環 / 炭素 / 栄養塩 |
研究概要 |
陸域生態系は、森林や湖沼などがその境界域である河川などによって結ばれた集水域を単位として成立しており、森林で生産された有機物の一部は河川を経て湖沼・沿岸へと輸送される。このため、地球環境変化にともなう陸域生態系の応答を理解するためには、陸上起源物質の水界での行方を把握し、集水域全体での物質循環系の評価が不可欠である。そこで本研究は、琵琶湖を対象に、陸上起源物質を含めた生物群集による物質代謝過程と陸上起源物質の分解効率と機能を明らかにすることを目的として行った。まず、琵琶湖において定期調査を行い、生物・化学・物理情報を集積するとともに生物代謝速度(呼吸・栄養塩排泄速度)を測定した。ついで溶存有機物の分解効率と生物群集との関係を明らかにするための室内培養実験を実施した。その結果、(1)琵琶湖の生物呼吸は基礎生産を上回っており、生物生産全体の2〜3割は外来性有機物により支えられていること、(2)琵琶湖の溶存有機物の大半は難分解性であること、(3)炭素有機物は細菌・原生動物からなる微生物群衆により無機化されるが、動物プランクトンは直接・間接的にその無機化を遅らせること、(4)しかし湖底への有機物輸送と栄養塩の回帰には動物プランクトンが大きく関与していること、等が示唆された。
|