研究概要 |
平成11年度は底泥におけるメタン生成活性の測定、琵琶湖に流入する河川水中の溶存メタンの濃度と同位体比、また河口域から沖帯への溶存メタン濃度のトランセクト観測を行い、琵琶湖北湖の溶存メタンに対する河川の役割を明らかにした。 (1)底泥のメタン生成活性測定 北湖第1環流中心付近(水深約80m)と犬上川沖(水深約30m)の地点におて毎月底泥コア試料を採取し、スラリー培養法によって堆積物中のメタン生成活性の鉛直プロファイル(深さ23cmまで)の季節変化を追跡した。 (2)トランセクト 沿岸部堆積物からのガス成分の輸送を検討するため、7月と11月の2度、野州川口から沖に向かって水深5,10,15,25,35mの地点でそれぞれ湖水の採取を行い、ガス成分をはじめ堆積物の還元代謝に伴い溶出すると予想される化学物質の分析を行った。 (3)河川中の溶存メタン 琵琶湖に流入する主要河川、野州川、愛知川、日野川、姉川、安曇川について河口付近におけるガス濃度の季節変化を追跡し、河川間の比較を行った。 (4)溶存メタン測定装置のテスト 船上で溶存メタン濃度の測定ができる装置のテストを行った。水を持ち帰りヘッドスペース法でFIDによる測定結果と比較し、良好な結果を得た。
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