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1999 年度 実績報告書

擬1次元電荷移動有機錯体における励起子間非線形相互作用と光誘起相転移

研究課題

研究課題/領域番号 11215204
研究機関名古屋大学

研究代表者

谷村 克己  名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00135328)

研究分担者 秋元 郁子  名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (00314055)
伊東 千尋  和歌山大学, システム工学部, 助教授 (60211744)
キーワード電荷移動有機錯体 / 光誘起構造相転位 / TTF-CA / 非線形相互作用
研究概要

本年度は、年度途中からの開始であり、計画の通り、光誘起N-I転移が現象としてすでに確定しているtetrathiafulvalene-p-chloranil(以下TTF-CAと略す)単結晶を中心とした研究を進めた。まず、イオン性相→中性相への機構解明を第1の目的とし、基本的に現有装置で可能な、以下の研究を進めた。
1)1000-3000nmにおよぶTTF-CA結晶の電荷移動遷移吸収帯を、連続的かつ共鳴的に現有の波長可変ナノ秒レーザーからの光パルスで励起し、各励起波長ごとに相転移発現の励起強度依存性を明確にした結果、相転移発生の閾値励起強度は、波長の増加(光子エネルギーの減少)と共に大きく増加する事が明らかとなった。一方、300-700nmに現れる分子内遷移励起の場合には、閾値は存在せず、この結晶の電子励起状態と相転移発現特性には強い相関がある事が明らかとなった。
2)810nmにおける単位時間あたりの励起強度が相転移発現特性に及ぼす効果を研究した。その結果、同一積分強度での3ナノ秒光パルスと80フェムト秒光パルスの両者において、相転移発現特性に差が存在しない事が明らかとなった。この結果は、光学遷移直後にCT励起子状態から他の多電子的状態へ変化する事を意味しており、この結晶の相転移発現機構を解明する上で、極めて重要な知見である。

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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