研究課題/領域番号 |
11215205
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
中村 新男 名古屋大学, 理工科学総合研究センター, 教授 (50159068)
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研究分担者 |
守友 浩 名古屋大学, 理工科学総合研究センター, 助教授 (00283466)
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キーワード | ペルプスカイト型酸化物 / 光誘起相転移 / 混合原子価金錯体 / 二重交換系 / 強磁性転移 / ヤーンテラーポーラロン / 超高速レーザー分光 |
研究概要 |
1)強磁性状態にあるマンガン酸化物におけるフォトドーピングによる局在スピン秩序の変化とヤーン・テラーポーラロン形成過程について調べた。(Nd_<0.5>Sm_<0.5>)_<0.6>Sr_<0.4>MnO_3では、強磁性秩序状態にある局在スピンが遍歴電子の注入によってスピン反転し磁化が変化すること、および過渡的なヤーン・テラーポーラロンのクラスター相が強磁性相に形成されることを見いだした。 2)強磁性金属化合物として古くから知られているCrO_2の電子構造を反射、吸収スペクトルの測定によって調べた。近赤外から可視光領域には3つの吸収帯が観測され、それらは二重交換相互作用の系に特有の温度依存性を示すことがわかった。二重交換系における重要なパラメータであるオンサイト交換相互作用の大きさ、一電子バンド幅、d軌道の分裂エネルギーの値を決定した。これらの値はマンガン酸化物の場合に比べ、小さい値である。 3)混合原子価金錯体は、圧力の印加により混合原子価状態から単一原子価状態へ一次相転移を起こすことが知られているが、反射スペクトルとラマン散乱の実験によって電子構造と圧力-温度相図を調べた。さらに、パルス光照射による混合原子価状態から単一原子価状態への相転移を初めて観測し、そのメカニズムを液滴モデルに基づいて解析した。さらに、光照射後における混合原子価相への回復ダイナミクスがストカスティックな核形成とその成長に対するAvramiモデルに従うことを示した。
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