レーザー冷却の物理と応用(総括班)

2002 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 11216101
• 研究機関: 電気通信大学
• 研究代表者: 清水 富士夫 電気通信大学, レーザー新世代研究センター, 教授 (00011156)
• 研究分担者: 久我 隆弘 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (60195419) ; 北野 正雄 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70115830) ; 薮崎 努 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60026127) ; 上田 正仁 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (70271070)
• キーワード: レーザー冷却 / 原子光学 / ボーズ凝縮 / BEC / シンポジウム / 原子 / アトムチップ / 原子干渉

研究概要

今年度、総括班の外的な活動は1月7日から9日の3日間、淡路島で開催した国際研究集会The 5^<th> laser cooling workshopに中心をおいた。われわれはすでに第1年度、第2年度に同様な研究会を開催しているが、前者がこれから重点領域研究を始めるにあったって、各研究分担者の戦略を定めるのが第一の目的であったのに対して、今回は、我々が過去3年間努力してきたレーザー冷却に関連した研究成果の国際的評価を受けることが最も大きな目的であった。また、研究期間中に科研費以外の研究費で研究を続けた国内研究者との研究上、および研究協力に関する討論、研究メンバーの今後の方向を決めるための助力となることも目的とした。結果は、これらの目的に対して十分な成果を上げることができたと考える。まず、国外からは、現在、世界で最も先進的な研究を行っている研究室(グループ)の多くから代表者が参加し、合計15名が研究発表、討論を行った。(米国7,ドイツ、オーストリア、フランス各2,デンマーク、イタリア各1名)。国内からは、特定領域研究メンバーの研究34とメンバー外の研究14を行った。これらの発表は、全部ではないにしても、国外メンバーから十分に高い評価を受けることができた。また、国内の代表的研究者(NTT、ERATOプロジェクト、通信総合研究所、産業技術総合など)からの参加を得たことで我国でのレーザー冷却、原子光学分野の研究交流に大きな寄与をしたことは間違いない。この研究会のプログラム、および全内容はhttp://www-lab15.kuee.kyoto-u.ac.jp/~lc/にて公開している。

研究成果

• [文献書誌] T.Kohno, F.Shimizu, J.Fujita, K.Shimizu: "Reflective double-slit atom interferometer"J. Phys. Soc. Jpn.. (To be published).
• [文献書誌] F.Shimizu, J.Fujita: "Reflection type hologram for atoms"Phys. Res. Lett.. 88巻12号. 123201-1-123201-4 (2002)
• [文献書誌] K.Enomoto, K.Hirano, M.Kumakura, Y.Takahashi, T.Yabuzaki: "Emission spectra of Cs-He excimers in cold helium gas"Phys. Rev. A. 66巻4号. 042505-1-042505-7 (2002)
• [文献書誌] K.Honda, Y.Takasu, T.Kuwamoto, M.Kumakura, Y.Takahashi, T.Yabuzaki: "Optical dipole trapping of a fermion-boson mixture of ytterbium isotopes"Phys. Rev. A. 66巻2号. 021401-1-021401-4 (2002)
• [文献書誌] K.Sanaka, K.Kawahara, T.Kuga: "Experimental probabilistic manipulation of down-converted photon pairs using unbalanced interferometers"Phys. Rev. A. 66巻4号. 040301-1-040301-4 (2002)
• [文献書誌] H.Saito, M.Ueda: "Split Instability of a Vortex in an attractive Base-Einstein condensate"Phys. Rev. Lett.. 89巻12号. 190402-1-190402-4 (2002)