研究分担者 |
高橋 義朗 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (40226907)
森田 紀夫 京都大学, 分子科学研究所, 助教授 (30134654)
北野 正雄 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70115830)
熊倉 光孝 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30324601)
杉山 和彦 京都大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10335193)
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研究概要 |
平成13年度における研究成果の主なものを以下に箇条書きにする。Yb原子に関しては平成11年度-12年度に行ったYbレーザー冷却・トラッピングの研究を更に発展させ、冷却原子を非共鳴レーザー光でトラップする、いわゆる双極子カトラッピングの研究を行った。1)まず,トラッピング光の波長はYAGレーザーの二倍高調波の530nmの光を用いこれを交差させ、交差する狭い空間への補足を試み、全ての同位体に対して成功した。2)この交差形双極子カトラップに対して新しい機構が存在し、トラップされた原子密度が非常に高いことを見出し、遅延型の交差形トラップを用いてそのダイナミックスを明らかにすることができた。3)原子ビームのゼーマン減速および磁気光学トラップを含めてレーザー光の周波数の切り替えを行い、同時に2つの同位体を比較的高密度で々空間にトラップすることに成功した。4)トラップした原子を冷却するために,光によるポテンシャルの深さを時間的に変化させ,いわゆる蒸発冷却を試み、ほぼ2桁温度を低減させることに成功した。5)蒸発冷却に関して、ポース原子とフェルミ原子では冷却の模様が大きく異なること,いわゆる量子統計性が原子衝突に大きく影響していることを見出した。6)光により作られるYb分子の分光を行い初めて行い,その励起状態の振動構造を精密に測定することができた。7)以上のようなYb原子に対するレーザー冷却・トラッピングの研究と並行して,Rb原子のBECに向けた研究をも行った。ここで特出する成果は、原子をトラップするポテンシャルを空間的に揺動させることにより、その振動数に依存してトラップされた原子の温度が過熱のみでなく冷却も生じるという全く新しい現象を見出した。
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