研究課題/領域番号 |
11216204
|
研究種目 |
特定領域研究(B)
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
上田 正仁 広島大学, 工学部, 助教授 (70271070)
|
研究分担者 |
谷口 伸彦 広島大学, 工学部, 助手 (70227221)
町田 一成 岡山大学, 理学部, 教授 (50025491)
大見 哲巨 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70025435)
|
キーワード | ボーズ凝縮 / スピン自由度 / 量子渦状態 / ボゴリウボフ理論 / 合的ボーズ凝縮 / 量子ホール転移 / 渦糸の融解 |
研究概要 |
本年度は、最近MITのグループによって発見されたスピン自由度をもつボーズ・アインシュタイン凝縮(BEC)の基底状態の性質およびその磁気応答について研究を行った。主な成果を列挙すると以下のとおりである。 (1)スピン1およびスピン2を持つBECの厳密な固有状態およびその磁気応答を明らかにした。 (2)Stenger達のNatureに掲載されたスピンドメインについての実験を理論的に解析し、実験結果を見事に再現した。また、スピンの自由度をコントロールして、渦のない状態から渦または超流動流が流れている状態を作る方法を考察し、その具体的な実験を提案した。これについての論文は物理学会で発表し、また、雑誌には現在掲載予定である。 (3)内部自由度をもつ超流動状態を電荷をもっている粒子系と中性粒子系とを対比しながら理論的に考察した.特にスピン自由度をもつBECについて渦の形成過程やその安定性をBogoliubov理論を拡張しつつ研究した. その他、回転する容器に閉じ込められた引力相互作用をするBECの基底状態の性質を調べ、循環の量子化が部分的に破れていることを発見した。 また、以下の2つの系に関する関連する研究も行った。(1)量子ホール転移の研究。量子ホール状態は、複合ボゾンのボーズ凝縮である。この為、量子ホール系のプラトー間転移は、異なる2種類の原子が競合的にボーズ凝縮を起こす系の雛形と考え得る。(2)高温超電導体にて観測されている、渦糸状態の研究。ボーズ凝縮体においても、類似の現象が観測可能と考えられる。
|