研究分担者 |
足立 聡 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (90211698)
町田 一成 岡山大学, 自然科学研究科, 教授 (50025491)
大見 哲巨 京都大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (70025435)
斉藤 弘樹 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (60334497)
|
研究概要 |
本年度も引き続き、原子気体のボース・アインシュタイン凝縮の多面的な理論研究を行った。 また、最終年度にあたるため、まとめとなる論文を書く(合計18報)一方で、BECに関する啓蒙的な単行本(パリティブックス)の出版も行った。以下では、各グループごとの研究実績の概要を述べる。 (東工大グループ:上田、斎藤、足立) (1)引力相互作用するBEC中の量子渦が動的不安定性により渦が分裂することを予言した。 (2)フェッシュバッハ共鳴により相互作用の強さと符号を時間的に変動させることにより2次元系でブライトソリトンが発生できることを明らかにした。 (3)非線型シュレーディンガー方程式をWKB法を超えて解く方法を開発し、WKB法に特有の転回点における発散の問題を除去した。 (京都大学および岡山大学グループ:大見、町田) 両グループはBECの理論に関する共同研究を行ってきた。特に、ボース系のBECとフェルミ系の超伝導とにおける渦を対比的に研究し,それら両系の低励起構造は共通の性質とまた,その統計性を反映したそれぞれの系に特有のエネルギースペクトルが存在することを明らかにした.前者は文字どおりボーズ励起としての集団励起が全ての低励起を尽くすのに対して,後者は個別励起としてのフェルミ準粒子励起が支配的である.一成分BEC系での渦の生成機構,渦の生成方法,渦の集団励起等を調べた.それらのいくつかは実験的に検証された.また,多成分BEC系についても研究を進めた.実際それらが存在することが,最近の実験で明らかになった.
|