研究課題/領域番号 |
11216204
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 東京工業大学 (2000-2002) 広島大学 (1999) |
研究代表者 |
上田 正仁 東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (70271070)
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研究分担者 |
足立 聡 東京工業大学, 理工学研究科, 助手 (90211698)
町田 一成 岡山大学, 理学部, 教授 (50025491)
大見 哲巨 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70025435)
斉藤 弘樹 東京工業大学, 理工学研究科, 研究員 (60334497)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2002
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キーワード | BEC / 引力相互作用 / ベクトル秩序変数 / 量子渦 / 多成分凝縮体 / 非線型相互作用 / パターン形成 |
研究概要 |
上田らは引力相互作用をするBECに関してどんなユニークな物理が現れるかを明らかにすることを目指して研究を進めてきた。引力相互作用するボース粒子系は準安定状態でしかなく、いつかは崩壊する運命にある。上田らはこの系が崩壊するメカニズムを研究し、臨界点近傍で原子集団が巨視的量子トンネリング(MQT)を起こして崩壊することを理論的に予言した。また、斥力系で確立されている循環の量子化が引力系では部分的にしか起こらないことを理論的に明らかにした。循環の量子化は超流動現象の極印として知られており、それが引力系においては部分的に破れていることを明らかにしたことは、超流動現象の本質の理解に新たな洞察を加えたといえる。また、相互作用を斥力から引力に変えた場合に起こるBECの崩壊のダイナミックスを調べる研究を行った。これは超新星の爆発とも比肩すべき大変興味深し研究テーマであり、極めて特異な超流動の非平衡現象の研究として今後もますます発展するものと期待される。さらに(1)斥力系で用意された大きなBECをフェッバッハ効果により相互作用を突然引力に変えると様々な非線形パターン(shell structure, layered structureなど)が現れることを見出した。(2)斥力状態のBECに量子渦を作ったのちに相互作用を引力にした場合にどのような現象が起こるかを研究した。その結果、引力相互作用の強さにより様々な動的不安定性が起こり、それにより、渦が分裂して崩壊することを見出した。(3)相互作用の強さと符号を時間的に変動させることにより、2次元引力系でもブライトソリトンが形成できることを理論的に示した。大見・町田らは多成分BECにおける相分離の問題、相転移のダイナミクス、量子渦の安定性の研究や新しい量子渦生成法の提案などを行った。
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