研究課題/領域番号 |
11217207
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
山根 恒夫 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (70026102)
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研究分担者 |
上田 俊策 宇都宮大学, 農学部, 助教授 (80160167)
中野 秀雄 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (00237348)
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キーワード | PHA / P(3HB) / P(3HV) / メチロトローフ / Paracoccus denitrificans / phaC / phaP / phaR |
研究概要 |
平成12年度交付申請書に記載の研究実施計画に従って研究を行い、Paracoccus denitrificansのPHA合成に関して以下の成果を得た。 1.PHA顆粒結合蛋白質phasinの機能解析 PHA合成能を持たない大腸菌にP.denitrificans由来のPHA合成遺伝子とphaP(phasinの遺伝子)を導入し、そのPHA合成能及びPHA分子量や組成を解析し、電子顕微鏡によってPHA顆粒を観察した。phaPを導入すると、顆粒数の増大とPHA含量は増大したが、顆粒径とPHAの分子量は減少した。 2.PHA合成に関連する遺伝子の発現機構 phaPの下流に1つのORFを見出し、その配列から翻訳産物の推定アミノ酸配列よりDNA結合蛋白質であると推定した。実際にゲルシフトアッセイによりDNA結合蛋白質であることを確認し、結合する領域(phaCとphaPの間)を特定した。 3.菌体内PHA分解酵素の遺伝子解析 phaCの上流に1つのORFを見出し、この配列がRalstonia eutrophaのPHA depolymerase遺伝子(phaZ)との類似性からP.denitrificansの菌体内PHA depolymeraseの遺伝子と予測し、phaZと命名し、遺伝子工学的手法を駆使してその機能を検討した。すなわち、この遺伝子とlacZとのin-frameで融合した遺伝子を作成し、大腸菌で発現させて融合蛋白質を過剰生産させPHB granuleを基質とした酵素反応を行い、PHA depolymerase活性を確認した。また、phaZはphaCとはゲノムDNA上で約500bp離れて逆向きに位置していた。phaZのプロモーター領域を同定するため、phaZ-phaCに挟まれた領域の部分欠失体をいくつか作製し、β-galactosidase活性の強さを調べ、phaZの発現に必須な領域を明らかにした。
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