研究概要 |
(1)嫌気(微好気)条件でのPHB分解酵素遺伝子のクローニング:河川、湖並びに海の水を微生物源に用いて、集積培養を行った。その後単一コロニーを分離して、PHBを分解するコロニーを選抜した。現在約10種類のコロニーを得、Burkholderia cepacia,Pseudomonas huttiensis,Pseudomonas aeruginosa,Stenotrophomonas maltophilia,Bacillus coagulansが同定された。PHB分解酵素遺伝子のクローニングはRaltonia pickettii T1の分解酵素遺伝子欠損株を作成し、染色体遺伝子のうち、相補作用を持つDNA断片を取る試みを続けているがまだ成功していない。 (2)種々のPHB分解酵素の構造と性質:真菌Penicillium funiculosumのPHB分解酵素の単離並びに遺伝子の解析を行った。染色体DNAより分解酵素遺伝子をクローニングしその塩基配列を決定した。N-末端近くにリパーゼボックス配列を持ち、C-末端側には典型的なPHB結合部位を持っていなかった。遺伝子の中に1つのイントロン持つと推定した。さらにRalstonia eutrophaにおける細胞内PHB分解酵素とAcidoyorax sp.SA1における3HB-oligomer hydrolaseの性質と遺伝子の解析を行った。前者は活性中心にCysを持ち、後者は活性中心にSerを持つエステラーゼであると示唆された。
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